2010年5月30日日曜日

街を元気にする鍼師②


おはようございます。夜の8時のまっすぐな道路の信号は8ケ所位先まで、一斉に青か赤で見晴らしがとてもよい。まるでドミノ倒しの信号の変化は見事なので車にのっている気持ちのよさを感じるし、こんなに速いもかと思ったりします。昨日の続きです。

未来を変える80人:僕らが出会った社会企業家:シルヴァン・ダニエル、マチュー・ルルー著

彼が採用したスタッフは」「理想主義で、既成概念に」とらわれていない若者たちの集まりだった。
何をいっても一言で片づける役人、変革に」けちをつけ商売を優先させる「専門家」たちにノーを突きつけた。強い意志と情熱をもちかれらは様々な分野で改革を成功させ、一見突飛に思えるプロジェクトでも市民の同意を得られるようになっていた。
そうして最初に取り組んだのが公共交通網の見直しだった。
専門家は最新技術による高額な地下鉄建設をもちかけてきた。だがジャメイはより広域をカバーするバス路線に力を入れる。彼はバス会社に対し、乗客数ではなく、路線の距離に応じて助成金を出した。バス路線が都心に集中し、採算がとれない郊外路線がないがしろにされるのを防ぐためだ。さらに路線の設定や専用レーンの設置も行った。バス停は強化ガラスを使ったエレガントなデザインはバスの待ち時間を快適な時間に変える。乗客は片側からチケットを購入し、降りる客は反対側の扉から出る(?これらは日本でも真似したものでしょうか、世界の知恵を集めることも大事ですね。)。
料金を払うために並ぶ列が短くてすみ、停車時間を減らすことができた。地下鉄建設の二百分の1の予算で、市内交通は十分機能を果たすようになった。さらにバス会社の経営業績をあげるためにジャスメはバスの切符に宝くじまでつけた。
こうした措置は30年後にはっきりと形になった。1972年の公共交通の利用者は市民の三十人に一人だったのに、今や4人に3人が利用するまでになった。バス停はバリアフリー、平均2分刻みで待ち時間がない。有害ガスの排出量も35%減。バス会社は行政からの助成金なしでも採算がとれるようになっている。彼はさらの斬新なアイディアを実現させてゆく。

「どんな街だって2年あれば変えることができる」と豪語する。彼を鍼師にたとえるのは市長の役割とは、都市という身体をつかさどる神経系統を見定め、正確に鍼を打つことの」よって全体を元気にするものであるというのだ。
彼は、ゴミ処理の問題についても、高額な複雑な自動分別可能なゴミ処理施設を建設する代わりに彼は企業や家庭にゴミの分別を呼びかけた。(西東京市ではごみ袋の有料化で20%の減量にせいこうした。またプラスチックのゴミ袋はからばるので、思ったよりも入らないし、空気を入れている感じです)
スラム街の住民にたいしては「ゴミを食品に交換します」というキャンペーンを、河川の汚濁を嘆く漁師にたいしては、網にかかったゴミを有料で買い取る、こうしてゴミの買い取り費用などは、高温焼却炉の建設に比べれば、たいした金額ではなく、巨額の投資をすることなく、河はきれいの、漁師の収入も3倍になた。

「お金がないときこそ、頭を使わなくちゃ」と彼は笑うのだった。
1992年市長の座を退いたときのジャスメの支持率は何と91%。その後大統領選に出馬してほしい声もあったらしいが、パラナ州知事を10年勤めた。現在は国際建築家連盟会長である。環境問題について意見をもとめると、「まずすべきことはふたつ。ゴミの分別と自家用車を使わないこと」でどんな大きなことでも、まず小さなことから始めなくてはと言っています。

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