2010年5月21日金曜日

林檎の礼拝堂②


おはようございます。1.5月おきの手作り新聞の特集「旅」が出来ました。最近時の立つのがとても速いです。

昨日の続きになりますが、このような物語をしっていると、フランスに旅する場合に是非訪れてみたいなあと思います。

林檎の礼拝堂:田窪恭治より

初めて見た時再生前の礼拝堂のあまりも簡素な美しさにうたれた。墓碑銘の彫られた昔からの床、天井の梁の骨格、入口の前の樹齢500年のイチイの圧倒的生命力が迫ってきた。
着工の前に地元新聞の記者が「どうしてこの作家はこんな荒れた教会を修復しようとするのか、なぜ日本企業が支援するのか、何のためにここに訪れたのか」答えは結果をみれば分かることだった。
この地方の荒れ果ててはいるが、荘厳さにみちた礼拝堂をこれをどのように自己の作品にすべきか、田窪の思考の軌跡は右に左に揺れた。またそれが時代を経てどのような評価を得るのか、あるいは今日の揺れ動く時代にどのような役割を担っているのか。―――それが作家支援というものの、危うい本質であろう。
内部の壁にはほんのりと匂うよなカルヴァドスの匂いなのか、林檎の白い花が咲く枝なのか。
屋根には礼拝堂の屋根はゼリーみたいなガラス瓦でノルマンディーの光がさしこみ大層美しい感じです。
ご本人は語る
「あの11年間というのが僕にとってすごく幸せだったんですよ。というのは、余計な世過ぎしのぎとか自分の売名とかやらずに済んだんですね。とにかく楽しく てしょうがなかったんです。資金が貯まらないから僕が考えている倍くらいの時間 がかかってしまったんですけれど。この時間というのがとにかく僕にとって幸せな時間だったんです。みんなは可哀想だとか、子供はどうだとかいろんなことを 言ってくれていたんですけれど。今でもそのリアリティを説明できないんですけど、この時間は俺だけのもんだ、みたいなね。僕だって東京に残ってれば、世過 ぎをやってたと思いますよ。」

田窪氏の国内での作品は金刀比羅宮の文化顧問を務める美術家白書院に椿の障壁画がある。

製作の過程や、結果は下記の記録ビデオに詳細に紹介されている。このように過程がキチンと報告されているのも、このプロジェクトの優しさのように思います。又この紹介文も素敵です。

田 窪恭治 大型動画配信 TAKUBO PROJECT
http://sciencenet.cocolog-nifty.com/takubo_/

0 件のコメント: