2010年5月7日金曜日

熟練した技術



おはようございます。この暑さですから、近所にある茶畑の新芽がグングン伸びています。効き目のある養毛剤を散布したかのように急な成長ぶりです。
日本財団の9年の日々より、
日本財団は私(曾野綾子さん)が22年前からやっている「視力障害者たちの為の聖地巡礼の旅」にも職員を出してくれました。
主にイスラエルやイタリアを訪ねるこの旅は、私が50歳を目前にして、眼の手術を受けて、奇跡的に視力を取り戻した感謝を何とか表せないかと思ってはじめたものです。
年1回ずつ続けてきましたが、参加者には、車いすの人や、96歳を最高に80歳以上の高齢者や大病した後の人たちも加わるようになりまあいた。食事の面倒から、お風呂までお手伝いしてくださるボランティアがたくさんいてくれてこそ、続けてこられたんです。旅費はお世話する方も、受ける方も同じ。人生はお互い様ですから、介護を受ける側が費用をたくさん出しいたら、きっと、あの人は食べさせ方が下手なのよという苦情がでるんでしょうけれど、相手はまったくの奉仕だから、文句のいいようがない。たとえば入浴のお世話をすることでも、その日私と目が会った人にお頼みする。でも何日かすると、」「私、今日もお入れしましょうか」という専門ボランティアが必ずでてきます。
そういう方の一人と、ある時、二人だけで話をしたんです。「どうしてそんなに入浴の扱いに馴れているんですか?」ってきいたら、長い年月、お姑さんの世話をして、それも感謝されずに苛められていたらしいんですね。」でもそのお姑さんも亡くなったら、後にこうした介護の」熟練した技術が残った。「あなたのお姑さんが、あなたを通して、普段シャワーだけでなかなかお風呂に入れない方を、旅行中も気持ちよく入浴させられるような巡り合わせを作ってくださったのね」って私がいったら、その方泣かれたんです。その時、初めてお姑さんと和解して、感謝できる気持ちになれたんじゃないかと思います。

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