2010年5月9日日曜日

何気ある異国


おはようございます。近所の大きな農家の屋敷は柊の生垣が廻らされ、その中には欅の20mにおよぶのが10本位あり、もう新緑に覆われ、昼なお暗きことになっていて、夏は涼しいだろうと思う。
そんな日常から旅に出て風光明美を愛でることが出来る場合もあるし、取り留めもない、日常に似ていても、やっぱり異国にくると違う経験がある。これも旅の一つのようですね。
旅人の心得:田口ランディより
メキシコに行くとき、トランジットでロスアンジェルス空港で5時間の時間つぶし。
空港には変な人が山のようにいる。
◆「アナタハニホンジンデスカ~」と寄ってきたイラン人は「私たち、イラン人は不当に差別されています。国連に訴えるつもりです。どうか署名をお願いします。」と紙に書かれていた。
「署名はいいけど、お金はないよ」というと、おおあなたはなんでそんなことを言うか、神を恐れぬ行為だ、という感じの大げさなジエスチャーをし、嘆き悲しむ。そしていきなり素面に戻って「では10ドルでいい」次は「では5ドルでいい」・・・「だって、私のお金はママが持っているだもん」そういうと彼はひどく冷たく去って行ってしまった。
◆次は空港のエレベーターに乗った。一緒に乗り込んできたエディ・マーフィーみたいな黒人職員が、私たちに向かっていきなり歌いだした。「上がったものは必ず下がる、下がったものは必ず上がる、世界はその繰り返しさ」というような哲学的な歌詞だったので狭いエレベーターの中でとてつもなく、ソウルフルに響いた。「あなたの歌ってシビレちゃう」みたいなことを言ったら、男はうれしそうな顔をして「サンキュー」言って降りた。
またエレベーター前にずーっと一台を待っている太っちょのアメリカ人がいた。「エレベーター来ないの?」と聞くと、「そうなんだ、どうなってるんだが」と肩をすくめる。
「こっちのエレベーター使えばいいじゃん」ところが私たちが降りたエレベーターも何故か急に扉がひらかなくなってしまった。仕方がないので、空港職員を呼び止めて「エレべーターが変!」と苦情をいったら、彼女は「しばらく待ってね」と去って行った。本当にしばらくしてから戻ってきて、両方のエレベーターに「故障中」の札を張って、「これでいいわ」と笑って去って行った。
「ま、アメリカだからさ」と、一緒にいった帰国子女は言うのだった。

0 件のコメント: