2010年5月1日土曜日

日本財団9年の日々③クリスチャンのくせに


日本財団9年の日々:曽野綾子著

「クリスチャンのくせに、なぜ博打の金をあつかう仕事についたのか」という批判が多かった。
「聖書のルカによる福音書」16・9に「不正にまみれた富で友達を作りなさい」という箇所があるのです。友人というのは天国の友人のことで、現世でワイロを使って誰かと仲良くなれ、ということではありません。
一般的にいって金は不正な富である場合が多い、と聖書はいうんです。しかし、その金が自分のところに来た時から、正しく慈悲の心で使って神に喜んでもらいなさい、ということなんです。つまりどんな金であろうと、過去のことはどうでもいいんですね。ただ今から誠実に使いなさい。ということですね。
キリスト教は本来性悪説ですからね。でも同時に立派なこともする時もある。と認めています。ただ人間は放っておけば悪いことをする。初めから正しい者も、完全に善行を行う者もない。どろどろの人間性の中から、どうしたら人間が一歩でも悪い方向ではなく、いい方向に向かって歩くということを考えているわけです。
曾野綾子さんは3つの点で日本財団と共通点があった。①「死者の海」で船の小説を書くのに、正式の船の勉強をしていた。②71・72年に産経新聞にハンセン病をテーマに「人間の罠」を連載→62年の財団設立以来、地球上からこの病気をなくすることを悲願にしていました。
③通称JOMASというNGOで途上国へ資金を送ることに関わり、援助資金が当初の目的通りにちゃんと使われているかどうか、アフリカまで自費で現地を調べにいった。→財団で、海外援助がすべてうまく行っていますという認識の少しでも是正に貢献したい。

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