2010年5月17日月曜日

「宿根草を植えよう」


おはようございます。

植物は人に頼らず生きている(年金の雑誌「長陽」2010春号):演芸家・江尻光一(NHKでも長い間出演、7月で84歳、演芸は64年間)」

「宿根草を植えよう」
樹木の種類は多くあっても、古い時代では草花は多くありませんでした。草花が少なかったのが日本です。フクジュソウやアサガオが庶民に親しまれていた位です。
春にタネをまき1年以内に枯れるのがパンジーやヒマワリです。これに対し、宿根草は一度土に植えれば何年も株が生きています。春に芽をだし、初夏から秋に花を咲かせ、冬bが到来すると、地上部がなくなりますが、冬に地上部を残す宿根草があります。日本を代表するラン科のエビネがそうです。花がさくのは5月の初めで10日から14日間咲きます。1年は54週、花が2週咲いたとはいえ、後の52週は花がありません。その52週の間、エビネは春夏秋冬に応じてからだつきを変えます。宿根草をうえようというは春夏秋冬で姿を変える植物から日本の四季が感じられるからだという。日本の花壇は季節ごと、花の咲いた植物を植えますが、花だけが植物の姿ではありません。芽を伸ばし,葉を広げ、後に花が咲く、その全てが植物です。私たちの先祖が十五夜にススキやオミナエシを飾ったのも、植物をとおして季節を楽しむためでした。四季を感じて生きてこそ人生は豊かにんさる。
洋式の庭園の最初は日比谷公園で、葉牡丹は日本で改良された傑作だそうです。フランスのベルサイユ宮殿に4月の半ばに訪ねた時、日本の公園ならいろいろな花が植えられています。ところが遠目ではこの公園の花壇は土ばかり、気になって近づいてみると、草丈3~4cmのセンパフローレンスが植えてあったのですが、遠目では分からなかったのです。日本なら冬に植えられた葉牡丹はうらぶれてくると、たちまち抜かれて、一瞬にして別の花に代わってしまいます。そういう花壇を見てきた目には咲くまで土の花壇を見せている
ベルサイユ宮殿の姿勢に感心したのでした。この草丈からすると、7月位に花が咲くとおもいました。2年位後に再訪したときには、見事なセンパフローレンスが咲いていました。
日本の花壇は常に花ばかりです。苗を植えてやがて大きくなって花を咲かせる、そのときの喜びといったら応えらえません。園芸の王道はその全てのプロセスを楽しむことではないでしょうかと。

0 件のコメント: