2009年6月1日月曜日

トットちゃん


おはようございます。トットちゃんという方は無類に面白い人だとわかりましたし、リンカーンの南北戦争の試練や苦しみや もだえも平明に教えてくれます。

リンカーンの演説集をトットちゃんが引用したのは、どの国も神様(多分、宗教は違っていても神様は一人だろう)に勝利の祈願している。それには理由をいわねばならない、百年も遅れてサッカーチームを出発した、必死の努力と、体が小さい人たちでも,勝つことが出来たら、どれだけの国の人々が自信をもち、練習が大切で,真剣にとりくめば、勝つことができるのだ、と知るかわかりません。もしこのことが大切とお考えなら、どうぞ勝たせて下さい」ということだった。

1865年3月4日4年続いた南北戦争が、終わりに近づいた頃、リンカーンが2度目の大統領に選ばれたときの演説。南北あわせて61万人の兵隊が死んだ。


「両者(南北)とも戦争が現在のように拡大し継続するとは予期しませんでした。(中略)。各々もっと容易に勝利を予期していたのでありまして、またこれほど重大なまた驚くべき結果が生じようとは思っていませんでした。
両者とも同じ聖書を読み、同じ神に祈り、そして各々敵に打ち勝つために、神の助力を求めています。他人が額に汗してえたパンを奪おうとして正義の神の援助を求める人があるということは、不思議に思えるでしょう。(中略)両者の祈りが双方ともききとどけられるということはありえませんでした。(中略)。

全能の神は彼自らの目的を持ち給います。『この世は躓(つまずき)物あるによりて禍害(わざわい)なるかな。躓物はかならず来らん。されど躓物を来たらす人は禍害なるかな』

もしもわれわれが、アメリカの奴隷制度は神の摂理により当然来たるべきつまずきの一つであり、神の定めたもうた期間続いて来たものであるが、今や神はこれを除くことを欲し給うのであると考え、また神はつまずきを来たらせた者の当然受くべきわざわいとして、北部と南部とに、この恐ろしい戦争を与え給うたのであると考えるとしますと、それは活ける神を信じる者が当然持ってよい考えではないでしょうか。

われわれがひたすら望み、切に祈るところは、この戦争という強大な笞が速やかに過ぎ去らんことであります。しかし、もし神の意志が、奴隷の250年に渡る報いられざる苦役によって蓄積されたすべての富が絶滅されるまで、また笞によって流された血の一滴一滴にたいして、剣によって流される血の償いがなされるまで、この戦争が続くことにあるならば、3000年前にいわれたごとく、今なお『主のさばきは真実にしてことごとごとく正し』といわなければなりません。

なんびともに対しても悪意をいだかず、すべての人に慈愛をもって、神がわれらに示し給う正義に堅く立ち、われらの着手した事業を完成するために、努力をいたそうではありませんか。国民の創痍を包み、戦闘に加わり斃れた者、その寡婦、その孤児を援助し、いたわるために、わが国民の内に、またすべての諸国民との間に、正しい恒久的な平和をもたらし、これを助長するために、あらゆる努力をいたそうではありませんか。


不思議の国のトットちゃん:黒柳徹子:新潮社より

0 件のコメント: