2009年6月13日土曜日

ピアノの話


おはようございます。辻井伸行さんがヴァンクライバーンコンクールで優勝し、とても爽やかななコメントでした。

人生を幸福にしてくれるピアノの話:熊本マリ※:講談社より
※http://www.marikumamoto.com/profile.html
ピアノは持ち運びできない楽器。たいていの音楽家はみな、自分の愛用の楽器を持ち歩くのが常だけれど、ピアニストにいたっては、それは不可能である。
毎回、-相手が変わるという環境にいかに慣れるか?
プロになって、ピアニストがまずつきあたる壁である。ボディはスプルース(マツ科の常緑針葉樹)やカエデ、鍵盤は象で出できているという自然の産物であるということも関係しているのだろう。
ピアノという楽器は、まるで生きているかのように変化する。
温度と湿度のバランスによって音と弾きやすさは七変化し、ときにモンスターのように太刀打ちできない存在なのだ。通常は、温度24度、湿度45度くらいが一番しっくりくる。湿度70%を超える環境にピアノが置かれていると、ピアのハンマーが湿気を思いきり吸って、鍵盤の重さ・・・・つまりタッチした時の感触がことごとく変わってしまう。
一台一台人の手で作られるピアノには、世界にひとつとして同じものはない。
ピアノは男性に、ヴァイオリンは女性的な楽器の代名詞となっている。
ピアノには寿命があり、ストラディヴァリウスのヴァイオリンは年月が経つにつれて、名器に育つが、ピアノは通常3年が弾き頃といわれ、10年選手の古いピアノにも古いピアノなりの、味わいが備わる場合がある。いっぽう真新しいピアノでも若さみなぎるパワーを発揮することもある。
最後はピアニストとピアノの相性がある。それは男女の仲となんら変わらない。「今日はどんな相手かしら?」
リハサールで鍵盤に触れた瞬間。「この人好き」という直感でわかる。その逆もしかり。相手が気に入らない場合でも、席を立つことも出来ない。本番では一夜限りの熱烈なカップルを演じなければならない。その出会ったピアノが引退したり、他のピアニストが弾きこまれたせいで)まったく様子が変わっていて面食らうといった苦い経験もある。
●大きなピアノ480KGを弾きこなすには体力が必要なのでビフテキなどよく食べる
●オスカー・ワイルドいわくの名セリフ、ピアノに関しては、私の長所は感情である。テクニックの方は人生のために残しておくんだ。
スペインでいわれたのは、完璧で正確なに弾くのならPCに任せておけばよい。聴く人に感動させられる、こころに響く音を作らねばなりませんと。
●グランドピアノの値段:1700から2000万円、スタンウエイのBモデルというのが人気があるそうです。地球温暖化の影響で素材の減少により、価格を上げているそうです。プラスチックの鍵盤は汗を吸い取らない。
●3日間ひかないと、手がふやけたような気持ちになる。

0 件のコメント: