2009年6月25日木曜日

38億年の命の連鎖


おはようございます。中村桂子さんい関心をもっていたら、児童向けとありますが、大人でも十分に面白い。命の連鎖がとてつもない大きな物語であると思われてきましした。

物理学者ハイゼンベルグがあげている例「もし今、この船とクジラがぶつかって、船の一部がこわれ、クジラもけがしたとしよう。船は誰かがなおさなければならないけれど、クジラの傷は自然に直ってしまう。生き物は生まれて、だんだん育っていくものです。両親がいるから生まれてきたので、何もないところから出てきたわけではありません。蚊やハエなどはきたないものがあるからわいてくる。19世紀にフランスのパスツールが、消毒をした肉汁に外からバクテリアが入らない工夫をしたら何日たっても腐らない。
つまり腐敗の原因になるバクテリアは生まれてこないし“生き物は生き物からしか生まれない”(ここで必ず最初の生き物はどうして生まれたのかという問いがでます。)の始まりです。

子どもの哲学①いのちってなんだろう:中村桂子他、佼成出版社より

生きものは誰かが作ったものではなく、生き物として生まれ、自分で生きてゆく存在です。両親から卵子と精子の結合によって、両親の半分づつを受け継いでいます。兄弟姉妹でもすこしずつ違うので、けっして同じものではありません。たったひとつの存在です。38億年の生き物の荘大な歴史の途上では、地球の表面全体が凍ったことさえあったが、一度もいのちが絶えてしまうことはありませんでした。私達がここにいるのも38億年のとんでもない歴史があるから。

この歴史をもってるのは私達だけでなく、地面を歩いているアリをじっと見ていると、このアリの中に38億年の時間を共有している仲間たちだと思えてきます。自分の体よりも大きな食べ物を巣まで運んでいるのを見てすごいなと思います。バクテリアもアリもゾウもすべての生き物は38億年の歴史を体内にもって生きている。私達が38億年前から続いてきた生き物の歴史があるからです。地球の様子は厳しく変化します。その時両親から生まれ、これまでにない存在となり、多様な存在にならない限り、同じ性質で同じように暮らしている生き物ばっかりだったら、みな滅びるかもしれません。多様になっていた方がいのちが続く可能性は高い。

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