2009年4月25日土曜日

和紙千年①


巻物を見てもその紙質の状態を下記のような観点から見ることはなかったが、祖母が漆器類を反故になった和紙でくるんでいたのは覚えています。
正倉院の和紙のように風化に耐えた美しさは1300年天平時代からの光沢を保っているという。
日本に紙が伝わったのは、610年推古天皇18年、高麗より僧曇徴がもたらした。このころヨーロッパにはまだ紙がない。8世紀半ばに中央アジアに製紙工場が、地中海に伝わるのは11、2世紀になり、初期木版印刷の中心だったニュールンベルグでの製紙工場は1391年のことだった。
海外においては大英博物館に保存されている200年前の書籍はほとんどが、風化状態に陥っているようです。西欧には日本の江戸時代で刷られた浮世絵が多く現存しています。これら浮世絵の版刷りなどでできた不良品の紙を、日本から輸出した陶器の包装紙として用い、それらを水に浸し,延ばし乾燥したもので、それらは滲まず、紙の状態も崩れておらず、博物館などで展示されています。このことは和紙の強靭さや保存性の良さの表れであり、日本の掛軸、屏風などが現存しているのも同様だそうです。。
生産の最も多い島根県の石州半紙(楮紙)は地元で栽培された良質の楮を使用して漉かれ、微細で強靭で光沢のある和紙であります。かっては大阪商人が石州半紙を帳簿に用い、火災のときいち早く井戸に投げ込んで保存を図ったんだそうです。(井戸の中でも大丈夫だった)
和紙千年 高田宏より

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