2009年4月22日水曜日

オバマとカネと偏向と


学習院大学で関連の女子大学の「和」にこんなことが書いてあった。国際コミュニュケーション学科の石澤靖治教授が書かれたものでした。
オバマとカネと偏向と
黒人初の大統領を生み出した点では歴史的であることはいうまでもない。有権者が黒人候補者に対する支持を示しても、実際の投票では白人候補者に投票する傾向(ブラッドリー効果)があると言われていたが、それは米国における根深い人種差別を示したものとされていた。それが白人候補者である共和党のジョン・マケインを指示していると友人の前で語っていた白人男性が、周囲には黙ってオバマに投票したという話も聞いた。だとすれば、今までの傾向のブラッドリー効果とは逆だったことを意味しているという。
この選挙でオバマをヒーロー扱いすることだけでなく、一歩引いた見方で改めてみる必要が2点あるという。
オバマがヒラリー・クリントンと民主党の指名を争った際も、本選挙でマケインを破った際も決定的にしたのは、オバマを決定的したのは圧倒的な資金力であった。選挙CMに相手方の3から5倍以上にのぼった。マケインは連邦政府からの従来通り資金の8410万ドル(84億1000万円)の範囲内で戦った。当初しかしオバマはこの資金を受けることを表明していたが、その後それを拒否して、マケインの2倍以上の圧倒的な資金を投入し、この資金は個人以外にも、周辺組織でも集めるので全体では10億ドルを超えたといわれる。候補者への公的資金の制度は、カネによる選挙への影響を限定的にし、クリーンで公平な選挙を目指すために導入されたものだ。こんご8410万ドルという額も引き上げることが検討されるだろう。
オバマの集めたカネは大口のものもあるが、一般人からの数十、数百ドル単位(それにしても日本の定額給付金の額と比べても凄い額に思える)単で豊富な資金力はオバマに対する国民の支持の証左でもある。しかし結果的にカネのかかる選挙を促進させたことにはなる。
今回報道は大きく偏向した。まずどの情報を取捨選択するという時点でメディアの意志が働き、どのような視点から報じるかということで、メディアの意図が反映される。
それぞれの候補者が不利にならないように細心の注意を払い、有権者の投票意図にゆだねる姿勢を貫かねばならない。だが圧倒的にオバマびいき、クリントン女史批判が明確だったという。米国にある各種のメディア監視組織の調査でその傾向がはっきりしているという。
以前1976年民主党のジミー・カーターのケースでも「偏向」だったということで、事実カーターを当選させたという。しかしカーターの場合は、その4年後「何もできなかった大統領」としてホワイトハウスを去っている。いずれにしても大恐慌以来と言われる惨憺たる米国経済をいかに立て直せるかであるという。フランクリン・ルーズベルト同様な功績を残せるかカーターの失敗を再現することになるのかの動向に関心があるかという。

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