2010年3月2日火曜日
サイの消化器
おはようございます。あちこちでお雛様がかざってありますね。春ですと旅に出たくなります。もの好きなものですから、下記の本はどんな意外な旅だったのか手にしてみました。
サイのクララ(名前)の大旅行グリニス・リドリー(著):矢野真千子訳
幻獣18世紀ヨーロッパを行くより(インド植民地で親を亡くしたサイの名クララは体重3トン。ドイツ、オーストリア、イタリー、フランス、英国を20年を見世物にいて歩く、一儲けを企むオランダ船長の苦労話)
草食動物の大半は反芻動物だ。反芻動物の体内に複数の胃があるのは、植物に含まれるさまざまな栄養素を(必然的に毒素をも)吸収する機会を高めるためだ。一番目の胃で消化し損ねても、次の胃が引き受けてくれる。ところが、サイは草食動物でありながら反芻動物ではない。他の草食動物と比較すると、原始的な消化器系しかもっていないのだ。一つしかない胃で分解出来なかった栄養素は二度ととりこめない。ただし、毒素にかんしても同じ。この消化器の
利点は、反芻動物にとって毒になる植物を食べても体へのダメージが少ないこと、つまり、反芻動物よりも多くの種類の植物を食べることにある。
たとえば植物が少ないナミビアの砂漠で、アフリカクロサイはサボテンに似たアオサンゴという植物の肉厚の葉を食べて生きている。アオサンゴ※1は他の動物が食べれば急性中毒を起こす植物だ。もしサイに発達した消化器官があったら、サイにとってもアオサンゴは毒物ということになっただろう。サイという種は飼育者にとって矛盾をかかえた存在だ。草食動物にしては広範囲の植物を食べることができるくせに、植物から効率的に栄養素を吸収できない。サイが成長するためには、体の大きさが同じ反芻動物に比べてはるかに多くの食べ物が必要になる。地上に棲む哺乳動物として最大級のインドサイ※3は成長しきったときその体を維持するのに少なくとも一日150ポンド※2の植物を食べなければならない。大変な旅の予感がします。
※1:http://yasashi.info/mi_00009.html
※2:67KG(1ポンドは16オンスで、約453.6グラム。)常用ポンド。
※3:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4
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