2009年12月23日水曜日

鍋は底を洗います


おはようございます。昨日は冬至だったので今日からは日が長くなっていくので嬉しいです。
たまに皿洗いなどすると、ご飯粒が残っていたり、脂が落ちきれていない場合もあって、ピカピカしてキュッキュッと鳴ると気持ちがよいものです。
大石静:ニッポンの横顔:NHKの朝のドラマ「ふたりっ子」の脚本家・作家より
大石さんは養女だったが駿台荘という旅館の娘であった。有名な作家が出版社からの依頼でカンズメにされている宿屋でもあった。この旅館の板前Yさんは厳しい人で、怒鳴り声が調理場で飛び交っていた。習うより盗めという厳しい徒弟制度が生きていた時代のことである。そこで鍛えられたMさんが出した店で学生時代にアルバイトをした。これは義母の気遣いでした仕事であった。皿洗いの仕事だった。
今も忘れないことがあった。ある日洗いものを終えて帰ろうとしたら、Mさんが「静ちゃん、鍋がちゃんと洗えてないよ」というのだ。
「すいません」と詫びながら、その鍋を洗い直そうと思ったが、鍋はピカピカだ。するとMさんは鍋の底をひっくり返して、小さなほくろくらいの焦げあとを指差し、「鍋は、底をまずきれいにしないといけないんだ。いくら側面がピカピカでも、底に小さな焦げ目がひとつあったら、煮炊きするとき、火加減が均等に伝わらない。鍋は底が一番大事なんだよ」と教えてくれた。最近は仕事も忙しく,家事とは縁遠いが、たまに洗いものをすると、鍋の底だけは徹底的にきれいにする。

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