2009年12月13日日曜日

東京物語の舞台


おはようございます。昨日は夕日がありながらパラパラ雨が降ってきました。夕日は其々の日によって違います。昨日のはかなりワイドな夕焼けでした。駅前の高層マンションからでしたが、時間帯によってずいぶん違うようです。
長谷川さんの紹介で「東京人」の1997年7月号に小津安二郎特集を川本三郎(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E6%9C%AC%E4%B8%89%E9%83%8E)さんが「東京物語」1953年作品という見出しの文を書いているそうです。
この映画の舞台となった東武伊勢崎線堀切駅にいったことを川本さんの書いた案内から、長谷川さんが12年後、東京物語作品の56年後に訪ねてみたのです。
この辺では主要な駅で都会的なセンスの北千住駅から2つ目の堀切駅に降り立って、あっと息をのんだ。さっきの北千住駅はどこの世界だったのだろう。堀切駅はもの寂しく古びて、やるせなかった。人影少ないホームの壁は波状のトタン、申し訳ばかりの駅舎の屋根もトタンで、時代にさらされた錆色をしている。
昭和30年代がそっくり現前したようで、狐につまされる思いがした。『東京物語』では、モンペをはいた娘がふたり、この駅に立っていたけれど、今ふたりがここに登場しても、現代という時代を忘れてみれば、さほどの違和感はない。私は不思議な空気に包まれた。
  駅前に荒川の視野いっぱいに偉大にながれている。しかし立っている道は車の往来が激しく現代そのもので、感動に浸ってはいられない。あわてて横断歩道を渡って川の土手よりの歩道に立つ。広い河川敷はよく整備され、あちこちで少年野球のチームが練習している。左手をみると、堀切橋、その向こうにまさしく映画でみた鉄橋が変わらぬ姿でがっちり荒川を横切っている。対岸の土手に見やると、高速道路をかぶと虫のようにツーツーと動いているのは車、これは映画にない光景だ。背後にはビル群が見えないのでとてもシュールな舞台にみえたそうです。

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