2009年10月1日木曜日
江戸凧の材料など
おはようございます。これで4度目で歳を感じさせない江戸凧の人です。
今度の訪問は弓の先生で、小金井公園の江戸建物園で毎週土曜日に、竹でトンボのヤジロベエを作って無償で見学者の関心を示した人に差し上げているが、材料難で門松の竹をもらってきたりしてしのいでいる。江戸凧も竹が材料なので、聞いてひょっとすると竹の材料の入手先をしっているのではないかということで、電話したら遊びに来て下さいということで2人でお邪魔した。この結びつきは凧の端材で十分だし、材料も立派なことが分かったのでいただけることになった。
江戸凧の面白さは聞くたびに面白くなってくる。しかし一度昭和記念公園で凧上げするからということで行ってみたが、これは運次第で風の強さによる。
冬のちぎれ雲が遠く見えて近寄ってくると、これは凧上げによい強い風で、世界に通用する天気予報だそうです。
浜野敏郎さんは江戸凧むらさき会を主宰する。この方は同じく西東京市に住む方で江戸の大凧の材料で特大の和紙(京都の黒谷)以外は全部手作り。
大凧の紙の強度と絵を鮮やかに描けるように裏打は絹を、骨組は真竹(神奈川県の大井松田付近の竹はクジラ尺で伸縮に耐える精度が一番よいことで知られる)
ここの南傾斜に生えている直径15cmの鉈(旧島津藩のマーク丸に十の字)をあてて4分割して、割れた4本は同癖のある部分竹として一括りにしておく。ゆるがせに出来ない糸も麻糸を手で編んで先は
1.5ミリ、反対の先端は5ミリ位の太さ、32本になる、それを100mの所で束ねて、その結び目に放射状にまとめて、巨大な操り人形のごとく、そのなお先に4人位いて引いている。風を受ける角度で上下させたりするそうです。
骨組み竹の採取は12月の水をすわない、水分を少ない・強度が高い3年物を使います。これを備長炭の炭火の上で、油を抜くと見た目の飴色の麗しさにもなり、強度も強まる。
太さ7ミリ幅3cmくらいで、ところどころに溝穴があいていて、極力重量を軽くしようという努力がある。その竹が升目を形成し、四隅から×もかける。
一番上部には籐をリボン状に薄く剥いだ帯をとりつけ、これは「なんともいえぬ勇壮なウナリ」を張り上げる。凧の絵は鯉金(男子の成長を祈った鯉にまたがった金太郎)、突波、などもまず下絵の見本を写すやすいように升目を利用して黒い墨で描いて、色は顔料でなく、染料を使うので鮮やかな色調になっている。
この凧を電柱もない広い公園や河川敷で揚げるが、重さが25KGで大人2人が両端にたって起こして風に向ける、とても巨大なので、風速が8m位は必要で、32本の凧糸がからまないように風を受けるのが経験がものいう。
フランスで世界凧あげ大会があって見事グランプリを獲得したそうです。
この西東京市は一面の麦畑(水田でないので動きまわれる)、麦踏み冬空に凧を揚げることが盛んで、親から教わった凧の絵が上手で評判になり、他人からも頼まれるのでマスマス上手になってもうやめられないし、凧を作る度に工夫を重ね、大空に上がる嬉しさ楽しさは歳を忘れさせることで今年で82歳で現役なのです。
これも10年以上の話ですが、聞いて面白いのでご紹介します。
4.5km、1m置きに連凧富津から三浦半島にかけてアーチ型に上げようという企画。
運ぶのに、トラック2台であったそうです。15年前で制作と運搬に800万円。そのころは民放でも面白い企画だから、費用をだしましょうということだった。
4500枚もの凧を揚げてみると、風が強く、アーチ型ではなく45度の急な登り坂にあがり、なおかつ前方に流されて5から6kmの東京湾をまたぐには足りない。これは湾の中央に、2隻の船から両岸に揚げる方法論が適当だったことが分かったが、その後この企画は行われていないそうです。
http://www.showakinenpark.go.jp/green-culture/portal/index.php?category=event&ym=2007-01
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