2009年10月10日土曜日

本を訪ねて北の果て


おはようございます。道路の両端には台風で落ちた木の葉が沢山溜まっています。ときどき風にあおられてカラカラと走っていきます。

週刊文春から企画を頼まれて、妹尾河童さんが書籍の流通探訪で北海道まで出かけた。
最北端の稚内まで、浮間ターミナルでコンテナに積んだものを東京からフェリーで北海道の苫小牧まで30時間かけて、苫小牧から陸路となる。
日本の出版社は約4200社、書店は約13000店でこれに書店ではないが、雑誌やコミックだけおいている店をいれて3万店になるそうです。平均1日に書籍が290万冊、月刊誌が569万冊、週刊誌が437万冊、合計1300万冊の点数が送りだされる。この取次業務にはかかせないので、東販などがある。
稚内分は日曜日ともなると、運送量が倍になり5トン。一度旭川で下され、網走、紋別、留萌、北見、稚内に分別される。
流通過程の出版物の代金は目方で決まる。出版物とは紙の重さであり、内容や単価とは無関係なのであるということでドキンとしたそうです。
小型店では実績がないと希望の本5冊を注文してもやっと1冊しかに応じてもらえないこともあるようです。注文して25日もかかるそうです。
稚内の9軒の最後に訪ねた「クラーク書店」で書棚をみて驚いたのは、「小説」「ノンフィクション」「国文学」「人文科学」「歴史」「評論」などなどのカタイ本がずらり並んでいた。店は45坪もあるそうですが、東京の同じ規模の本屋さんでも、これほどの品揃えはない。
思わずきいてみたのは「売れていますか」「売れていますよ。売れないと店がつぶれますから」との返事、ここは去年の8月に開店したばかりという。開店のとき、書籍は売れないから、雑誌やコミックに比重を置かないと危険だ」と忠告もうけたが、しかし「書籍は札幌や旭川どまりで、他の地域では揃っていないので、札幌や旭川に行った時、まるで飢えを癒すかのように何万円も買って帰ったりしていたんですから・・・同じような人たちが、いまこの店で買って下さっているわけです。」この頑張りを聞いて北海道の寒さも忘れて帰ってきたそうです。
河童の手の内幕の内;妹尾河童著より  

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