2009年10月17日土曜日
こういう人は愛されるのですね。
おはようございます。石川遼選手や内村航平選手の限界に挑戦する姿についてイチローはどういうことをいうだろうか聞いてみたい。
藤原義江さんは”マナー抜群の紳士”といわれていた彼と食事することになった。
食事も終わりに近づき、デザートのケーキがでた。
「ウマそうでねエ」と藤原ダンナは言い、ケーキを口に運ぼうとした。その瞬間、ケーキが落ちて床に転がった。」ところがなんとしたことか、ダンナはテーブルの下へ手を伸ばし、ケーキを拾ったかと思うと、口へパクリと放り込んだのである。ぼくは自分の目を疑った。場所は自分の食堂であったが、それにしても、マナーのよさで名高いダンナがいったいこれはどういうことなのだ?
「きみー、そんなに驚くこたぁないよ。この床は汚くはないだろう。いつも、ちゃんと掃除がいき届いているしね。床に落ちたものを食うのは変だというのかね。ぼくはこのケースが食いたかったんだ。モッタイナイじゃないかなぁ。もっともぼくもね、外のレストランじゃこんなこたぁしないよ。それと、一緒に食ってる相手によらあね」と笑った。
”落っこちたケーキ事件”には後日談が2つ続く。一つは住み込みで掃除をしていた老夫婦が、「先生は、床に落ちたケーキを召し上がったそうですね、キレイに掃除がしてあるからといってくださって・・・・。先生は私たちにも、お優しい方です」。
と感激していた。
彼を知るたいていの人は、ダンナの魅力はその「優しさ」にあるということを認める。ところが」その人たちがまた一様に「ダンナはケチであった」ともいう。
ネクタイを貰って感激した宮沢さんが、後日こんなことを証言しているのが面白い。「藤原ダンナにあっちゃかなわないね。ぼくにこういうんだよ。『きみー、事務所のもんがね、宮沢先生に原稿料をお払いしなくちゃ、と言うんでね。」ぼくは言ってやったんだ。
バカなことをいっちゃいかん。彼と僕の仲で原稿料をはらうだなんて、そんなこをしちゃ失礼だよ、とね。」きみー、そう思うだろう』って。それで原稿料はパー。それはぼくだけじゃなかったんだがね。ところが不思議なことに、誰もダンナを恨んでいなかった。まあそれがかれの人徳というものなんだろうけど。誰もがダンナに惚れていたのだ。
(また時代の違いもあるのでしょうか。おおらかですね)
河童の手の内幕の内;妹尾河童著より
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