2009年9月23日水曜日

自力は一緒に育てる


おはようござます。ときたま植木に水遣りを忘れてしまうほどの涼しさです。
昨日は屋内でデジカメで撮影したもですが、フラッシュが奥まで届かないので、暗い写りになりました。
それを明るさを修正したら、人物の表情が見えるようになり、これなら使えるということで、カメラ屋で自動プリントしたら2分もしないでできました。

ココロの止まり木:河合隼雄

カッパ先生について:河合隼雄さんが高校の先生をやっていたとき、先輩で寺前弘之助という人がいて、頭髪がオカッパ気味だったのでカッパさんというニックネームだったそうです。

あるとき、カッパ先生はある男の生徒が、机の蓋の裏に小刀で彫り込みをしているのを見つけた。落書きする生徒はいたが、机に彫り込まれたものは消しようがなく、当時の感覚からすれば、これは相当な」「ワル」であった。
カッパ先生はすぐにその生徒に「放課後、職員室に来い」と叫んだ。
彼が職員室にいってみると、そこには彫刻刀と、木版のための板がふたそろい準備そてあった。
「さっき見たけど、おまえの刀の切れ味は相当なものや、おれも趣味でこんなことを」やっているけど、おまえに負けるかもしれん。ともかく一緒にやろうや」というわけで、カッパ先生とその生徒はふたえり並んで木版を彫ることになった。といってもすぐには完成しない。
「これから、ちょいちょい続きを彫りに来いや」というわけで」、ふたりは放課後に木版彫りに熱中した。カッパさんは説教はおろか、ほとんど話をしなかった。ただ彼の作品の出来映えに感心したり、感想を述べたりするだけだった。こうしてその生徒の生活態度はよくなった。
自分の高校教師のときは、熱心きわまりない教師であった。しかしそれは時に空転するのだ。カッパ先生のやり方は先生と生徒が肩を並べて仕事に熱中することだった。そこには表面的には関係がないようで、遙かに深い関係ができていた。そして深い関係を支えとして、生徒は自分の力で立ち直ってゆくのである。

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