2009年8月6日木曜日
さおだけ屋は何故つぶれない?
おはようございます。結婚して最初に住んだのは茨城県の牛久市だった。通りがかった郵便屋さんに物干しとその台はどこで売っていますかと、聞くと、仕事はそのままで「ちょっと待って下さい」と実物と金物屋さんをつれてきてくれた。これにはびっくりしました。
その姿は見えぬが「さおやー、さーおだけー」と連呼しながらゆっくりと通り過ぎる声。さおだけ屋だ。たいてい、さおだけ屋の声は呼び止められて留まることがなく、流れていくだけである。今日の売り上げは如何ほどか。高いガソリンを使って朝から車を走らせて1本も売れなかったら、どうなるのだろう。気になりながらも自宅のさおだけは壊れることもないから、私もさおだけ屋を喜ばせることはできない。とはいえ、さおだけ屋はときどき我が家の近辺にやってくる。ということは潰れていないのだ。不思議だ。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』がベストセラーになったのも、私のように不思議が膨らんだ者がその理由を知りたいと、つまりさおだけ屋商法には何か裏ワザがあって、実はあの商売は儲かっている、その秘密が解き明かされるぞ、と期待を胸にとにかく読んだ、ということではないだろうか。
で、その結論はこうだ。「さおだけ屋」という単体の商売では儲かっていない、利益を出すには、単価を上げるか費用を削減するか、の2点に集約される。さおだけ屋を呼び止めて実際に買ってみると、スチール2本で1000円なんて言っていても、その1000円では終わらない。(家内が買ったのはステンレスの場合では5000円)、物干しの修理までやってしまうケースもある、そうな。そしてさおだけ屋の正体は金物屋で「さおだけ屋」用に“さお”だけを仕入れているのではなく、車の走行も配達のついでだったりするからガソリン代など余分な費用の必要なし、というのだ。、費用はなるべく低くの理にかなっており、“潰れない”というわけだ。「さおだけ屋」マジックは残念ながら存在しなかった。
「さおだけ屋はなぜ潰れないか」の著者山田真哉
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