夜の明けるのもだいぶ遅くなってきていて、時計をみながら何時か確認しています。
医療は誰のものか:在宅の現場から見える「いのち」・2008.10.5
武蔵野ホームケアクリニック(武蔵野市西久保)の東郷清児さん(訪問医療医)、の講演から。
まず介護保険の認定者数が6年間で倍増。( )内は2000年を100とした2006年の比率です。
2000年 2006年
◇介護保険認定者数 218万人(100) 432万人(198)
日本の人口(千人) 126926 (100) 127770(100.66)
同65歳以上(千人) 22005(100) 26604(120)
上記のように介護保険の認定者数は介護保険を開始するときも最初から分かっていたのでしょうが、6年間に約倍増している。介護保険料が全国一律ではなく、各自治体によって異なり、サービスの良し悪しは、地方自治体の主に財政状態によるためでもある。改正介護保険法は2006年4月から予防重視をうたっ来た本当の意味は、財源の捻出が大変なので、実質サービスの内容を落とすしかない。それには診療報酬を減らす、介護内容を落とす、在宅診療(報酬を上げて開業医に往診を促す方策→24時間対応を要求されるので期待される在宅療養支援診療所全国で約一万か所の届けをだしているが、3割以上が一人の見取りもしていない。正常に機能していない。)この方式を奨励するなどである。
というとどういうことが起きているかというと、銚子市の市立病院の閉鎖に見られるように、病院経営はほとんどと言っていいくらいもう赤字になっている。一番必要とされる重度の介護や医療を必要とされる患者は敬遠され、医療側は楽な患者や利用者を選択している。医療難民や介護難民が生まれ、利用者や患者の都合よりも提供側の都合が優先されている。さ迷う人が出てきて悲惨な事態を招いている。ある医療機関が閉鎖されると、需要と供給のバランスが崩れて、周辺の医療機関がこれを引き受けてもそこも少ない医師と看護師の人数でカバーすることになるので、深刻な過労においこまれてやがてそこも廃業ということになっている連鎖作用の悪循環が起きている。
今後の療養病床の推移
2006年 2012年
療養病床 (医療保険) 25万 15万※1
老健施設・ケアハウス・在宅 15万※2
療養病床(介護保険) 13万
計 28万 30万
※1は12年には10万床が減るので報道機関は公にしていないが、大変な事態を招くことが予想されている。ベッド数も不足するので終末期は大変になるだろう。在宅死亡率のたかいのは長野県で医療費が低い、同率の低いのは北海道(雪で往診がしにくい)
◇平均在院日数
1985年 2003年
日本 54.2 36.4
英国 9.1 6.5
これは在宅医療が不足していることのようである。
◇対GDP比の総医療費支出の国際比較(2004年)
米国15.3、スイス11.8、ドイツ10.9、イギリス8.3、日本8.0、スロバキア5.9、韓国5.36で30カ国中21位で医療費を多く支出している訳でもない。
※2在宅は医師の訪問医療であるべきなのに、家族のケアに比重をかけているのは家族だから無料であることをいいことにしている。家族は在宅ケアのために仕事をやめ収入源を絶った上で自分の貯蓄等から支出を迫られる。
上記のベッドは行くあてがない人達の退避場所であるというのに、どこへ行くというのであろうか。
無資格でも家族はケア行為をやれるのに、ホームヘルパーに見られるように家事手伝いはできてもケアが出来ない。救急医療も相当緩和されて貴重な生命が救われているというのに。
◇診療報酬は1998年を100として2006年には93.5になっている。
実質GDPは 100として 112.7になっているのに。
これからは高齢者人口の急増、認知症高齢者の増加一人暮らしや老々の高齢者世帯の増加、高齢者多死時代の到来。(本来は自宅に死期を迎えたいが、家族に迷惑をかけるから病院にする人は38%。医師や看護師は2%は延命治療の患者も望まない、病院のやりすぎの医療行為は敬遠)
◇年齢別医療費の割合:65歳以上15.9兆円、0歳から14歳2.0兆円、15歳から64歳は13.6兆円→これで後期高齢者の保険料を別に徴収しようと考えたのだろうと思われる。
まず国の財政が第1、命より金が大事、政策が将来を見据えてではなく、その場しのぎでゆき当たりばったり。日本の国民は従順すぎる。他国なら暴動がおきるぐらいの出来事。
年間六兆円もの道路を作り続けていながら社会保障費は2200億円づつ削減している。以上
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