2008年10月6日月曜日

お墓


めっきり寒くなりフトンを引っ張っていました。液晶テレビもパンフレットを読んでも少ししかわからないので、あちこちの店にいって詳しい店員さんに当たることでした。これが一番多角的に分かってきましたが、また不明な点も多く出てきました。デジタル時代の便利さは際限ないようです。使いこなせるかです。居ながらにしてたいていのことができるようになるようです。

それと対照的なことがお墓のようです。

東京禅センター第9回公開講座 NO.18の講座記録より


【『家』意識と『墓』の継承 】

花園大学:古橋エツ子

平成18218

◇  家族姓とお墓の継承

親 しい対象ですから、お墓の内容も変わり始めています。姓とお墓の継承に関する課題が一つあります。憲法の下に民法が改正され、家父長制度などが廃止された のですが、お墓、仏壇などの祭祀財産をどのように相続するのかについては、「わが国民の国民感情と伝統を考慮して」して相続財産とは別に規定されたという 事情があります。相続財産は、現在、子供で均等ですね。その別に規定されて残っているのが祭祀財産です。逆にそれが問題を先延ばしにしています。
民 法によると、一番優先されるのは、被相続人が指定した人です。指定した人がいなければ、慣習に従います。三番目、それでも決まらない時は、家庭裁判所が決 定します。実際には、指定する例よりも、二番目の慣習に従う例が多いです。では誰が祭祀を継承するのかということについて、裁判で争うことになるのです。 民法では、お墓と被相続人の姓が同じでなければならないという例が一応、ありません。しかし、結婚によって姓を改めた人が、離婚をして元々の姓に戻った時 に、祭祀の権利を承継すべき人を改めて定めなければならないとあるのです。従って、苗字と祭祀財産は関係ないということは無く、色々な問題が起こるので す。

◇ お墓の継承と慣習

慣習という面では、日本の沖縄の例をあげます。沖縄では、位牌(トートーメ)の相続について、男 系の男子相続が原則でした。もし娘しかいない場合は、養子を迎えて承継、その場合でも父方の男兄弟の子を養子とするとされています。しかも慣習によって位 牌の継承者は、その家の全財産を相続することになっていました。つまり、旧民法の祭祀継承と祭祀財産をあわせた家督相続と同様の内容が、慣習として続いて いました。しかも女性が位牌を継承すると、たたりがあるなどと宗教的な規範がユタ(占い師)によって流布されたので、この慣習が続いたのです。今から25 年前、この慣習に対する不服を家庭裁判所に訴えた例があります。家庭裁判所は、女性でも相続できる旨の審判を下しました。それ以来、女性でも位牌やお墓を 継承できるようになったのです。
またお墓については、墓碑の文字そのものを書かないという例があります。ではどうするかというと、お墓に入る人が 好きだった言葉であるとか、オブジェであるとか、ゴルフ好きの方でしたら、ゴルフスイングをしている像であるとか、色々な自分たちの気持ちを表したものを 墓碑に託している場合が見受けられます。お墓に「~の墓」と文字が無いため、今まで述べたお墓の名前の問題も関係なくなります。寺院でも、姓の異なる承継 者でも認めるところが増えております。

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