2008年10月10日金曜日

超清潔病と新素材



ホッチクスを買ってきたら、中身を取り出して、上のカバー、下の台紙、両方を止めているホッチキスの針、3種類あった場合のゴミの分別

は大変面倒だ。それぞれ分解するのは大変面倒だ。買った時に、必要なもホッチキスだけをもらい包装関係は引き取ってもらいたいくらいでした。


藤田紘一郎(東京医科歯科大学医学部教授)

環境問題というと、ダイオキシンや環境ホルモンを目の敵にし、自分たちは被害者だと思っている人も多いのではないだろうか? 自分たちの健康だけに気を奪われ、バイキンを排除し、無菌国家への道を突進しているかに見えるニッポン人。実は、われわれの過度の清潔志向が、環境悪化をひきおこし、一方では、アトピーや花粉症を増やしてきたという。自らのつくりだした文明に飼いならされ、肉体的にも精神的にもひ弱になった家畜化した日本人に、「このままではあと100年ももたない」と藤田先生は警告を発する。

抗菌・消臭は、生物としての自殺

抗菌作用で皮膚の常在菌が弱ると、皮膚に障害がおきる

超清潔志向が、日本列島を汚染している

生物バランスが崩れ、悪玉がのさばる

寄生虫の駆逐によってアトピーや花粉症が登場

免疫力が低下し、いろいろな弊害が

バイキンとの「共生」が21世紀のキーワード

生きているものにはすべて意味がある

家畜化の道からオサラバせよ

人間も自然の一部であり、生き物であることを自覚すること

私がいま研究しているのは、「材料生物学」という学問です。ひらたくいってしまうと、「生物をまねた新素材」の研究です。自然界の生物は、その機能や形態を自らの体で作り出しています。たとえば、魚のエラには水中の酸素を取り入れる機能があるし、キアゲハのサナギは極低温でも凍りません。これらの生物をまねすれば、効率的な酸素富化膜や不凍液がつくり出せるのではないかというのが、材料生物学の基本的な発想です。
 この「材料生物学」という名前、実は私が勝手に名づけたもの


で、学問としても、現在まだあまり手を着けられていない分野です。新しい学問分野を開拓中と考えていただいたほうがよいでしょう。


金属性の光沢を放つ
美しい羽をもつモルフォチョウ
(写真提供/茨城県自然博物館)

 それでも、生物をまねた新素材の開発は、少し以前から、企業によって実用化されるまでになりました。たとえば、クラレが開発した「デフォール」という繊維は、中南米を中心に生息しているモルフォチョウの発色をまねてつくられたものです。モルフォチョウには、きれいな金属製の光沢を放つ羽を持ったものが多く、その発色の仕組みが大変おもしろくできていることで知られています。モルフォチョウの羽の表面は、鱗片状の特殊な分子構造を持っていて、表面に対して垂直方向から見ると輝いて見えるが、平行方向から低い角度で見ると、光沢が消えて、茶褐色に見えるのです。この企業では、このモルフォチョウの特徴に着目して、光を当てる方向を変えると、色が深みを持つ織物を作ることに成功しました。

 これはほんの一例で、動物、植物などの生物のまねをした新素材は、すでに何例も実用化されてきているのです。
 生物をまねた新素材が注目されているのは、生物の機能を形や構造から解明し、その高度な生物学的なテクノロジーを素材開発に応用しようとする新しい発想方法であること。そして、石油からつくられる合成高分子材料のほとんどが、自然には分解せずに環境に負荷を与えているのに対して、この新素材は、同じ高分子でできた物質でありながら、きれいに分解されて自然に戻ることをめざしたものだからです。


0 件のコメント: