2008年10月4日土曜日

米の輸入義務問題


食の安全や偽物問題は日常茶飯事となってきています。米のパンやうどんはまだ食べていませんが、どんな味がするのでしょう。一度は食べてみたいものです。

大泉一貫宮城大教授[農業経営学]が米の輸入問題について毎日新聞に書いていましたのでご紹介します。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、守る方向でなく、競争に耐える方向に進みたいと唱えています。やればなんとか出来ると主張しています。


わが国は米の最低輸入義務に無関心だ。コメの高関税を守るために「仕方がない」と考えている。しかし高関税を守る交渉をしても実現不可能に近い。戦後の日本の農政は一貫して内向きだった。高関税で海外のコメをしめだし、国際水準の何倍もするコメ価格の維持を至上命題としてきた。その間に様々なコメの可能性が失われてきた。食生活の変化と割高な米価のために、コメの消費量が減ってしまったし、減反という生産調整を強いられてきた農家のやる気は損なわれ、稲作技術も停滞した。稲作の衰退を米価の低迷に求めたり、農業は衰退産業だという人もいる。しかしオランダやデンマークの農業が自立し、輸出産業になっているのは何故だろう。農業の耕作面積が小さくても、価格が低下しても、農林業を成長産業としている国は少なくない。中国やインドは農業の後退と、食糧消費の増加がみこまれ、流通量は減少傾向が続くと予測される。この市場をターゲットに戦略的なコメの生産拡大や様々なコメビジネスを考えるべき。

方法は

1・ジャポニカを国際市場の大半を占めるインディカ米の増産を図る

2・メイドインジャパンと名付けて日本人がコントロールする食糧生産が世界に広がる

3・世界をリードする「コメ先物市場」の創設

生産コストを国際水準に難しくはなく、生産者が受け取るコメの価格は平均1kgで250円であるが、大規模農家は100円で輸入米は130円だから十分に競争力はある。エサ米になると、1kg30円に下げる必要があるが、我が国の収穫量は10aあたり、500k台しかないが、今から40年も前に700kに達成しているところもある。現在の技術を使えば1500kの収穫も見込めるのではないか。これなら3分の1程度の30円台まで下がる。これはけして現実味のない話ではない。農業は衰退産業だと思い込まされているだけである。そこから早く抜け出せば、農業は成長産業・輸出産業として、世界の農業先進国と肩を並べる日が来ることを望んでいる。

自立精神の涵養が創造的な未来は生む。新しい未来を作るのは、常に自立からと相場が決まっている。

 ただ、そんなにわが国の農業や農村はダメなのだろうか?経済的側面だけを見ても、決してそんなことはないと私は思う。

 WEFが経済成長可能性指標を出している。可能性の高い国に、アメリカやBRIC‘sなどの資源大国もあるが、それよりも高いとされているのが、フィンランドや北欧の成熟小国である。

 フィンランドやデンマークは520-30万の人口で、GDPはおよそ17~18兆円。これは北海道の568万人20兆円に匹敵する。東北地方も、約1千万人弱の人に対し34兆円の総生産額がある。北海道も東北経済も捨てたものではないと。

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