2010年6月6日日曜日

落花生の役割


おはようございます。近所でも田んぼが少ないためか雀をあまりみかけなくなっています。

思い出したのは、メル友のaostaさんの推薦で読んでみた下記エッセイ・伊丹十三を読んだからです。
雀の巣は屋根の瓦の隙間から覗かせている藁屑の所をめくってみると、何個か卵が並んでいて、2個位失敬すると、数日以内に同様の数が補充されている。
また雀をとらえようとして、ザルを用意し、棒で片端につっかえ棒のようにして、その棒に紐をつけておく、下に餌を置いて、しばらくすると雀がきたときに、すばやく紐を引っ張ると、ザルのしたに捕獲した雀がいる筈。しかしザルは軽いので素早い雀が逃げる早さにはかなわない。数度やってみますが、やはり命かけで逃げるものにはかなわないと納得。

ところがいまだに本当の話かどうか腑に落ちない雀の話。

「伊丹十三の本」考える人編集部編:新潮社
落花生

中国の御話:村中の人間が総出で、手に手に鍋や金盥やバケツなどをもち、一斉にドラのように打ちならす。そんなことで雀がとれるから不思議だ。轟音に驚いた雀は天に舞い上がる。舞い上がったところで、音を止めると、雀は暫く空を舞った後、また地上に降りて来ようとする。そこをまたワッと囃す。雀は驚いて、又空の高みへ逃げる。ということを際限なく繰り返す。遂には雀は飛ぶ力を失って、次々に落ちてくるから、あとはそれを片っ端から拾い集めればよい。これは嘘のようだが、本当の話なのだそうです。但し雀を根絶したが故に生態系が崩れ、思わぬ数の害虫が発生し、中国は惨憺たる大飢饉に襲われた。(これだけの人数がこれだけ動いての雀の収穫も随分この苦労に見合ったものだったのか?)
日本における伝統的な雀の捕獲は興味ふかいものがある。日本式では、殻のついた落花生と酒につけた米が必要である。この2つを雀のよくのくる場所にまいておく。やがて雀が来て、まず米を食べる。米には酒が浸しましてあるから、雀は酔っぱらって寝てしまう。これを拾い集めればよい。じゃぁ、殻つきの落花生は一体何のためであったのか?酔った雀が、これを枕にして寝る、というのであって勿論これはよくできた小咄であるそうです。

0 件のコメント: