2008年12月21日日曜日

中村メイコさん


ドラマ「篤姫」をみていたら和宮の侍女として出てきた女優がみたことのある顔だという気がしたのですが、中村メイコさんだったのですね。あまり久しぶりの登場だったので、すぐには分かりませんでした。

そこは中村家の場面でした。

その昔、両親とも、親の束縛から苦しい思いをした。なるべく本人の意思を尊重した育て方はそれと無関係ではない

「ロッパの駄々っこ父さん」に出演が決まったときのこと、中村メイコさんは、男の子に扮するために、それまでにふさふさに伸ばしして美しいリボンをつけていた髪を切って、丸坊主にならなければなかった。「パパ、これは重大問題よ」と、お母さんのチエコさんは言った。「女の子にとって髪は、命の次に大事なものよ」「メイ子の意見を聞いてみるさ」「いやというに決まっているわ」「よし、それじゃ、こうしよう」と正常氏が言った。「僕が床屋にいって、先に丸坊主になろう」「パパが?」チエコさんは、目を丸くした。というのは正常氏は徹底した」床屋嫌いで、ばさばさに伸ばした髪の裾をチエコさんが切るならわしだっったからだ。床屋の椅子に一時間前後、「自分の意志を奪われて座る」ということにも、耐えきれない人だったのである。まさかと思っていると、いつの間にか正常氏は家を飛び出していた。そのあと皮肉なことが起こった。映画会社からの連絡で、メイコさんの髪はそのままでいいことになったのである。慌てふためいて、チエコさんが近くの床屋に走っていくと、正常氏は青々した、いがぐり頭になって、世にも悲しそうな顔で店を出てくるところにであった。

夫と妻のきずな:テレビ朝日元制作局長・中島力から

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