2010年4月28日水曜日

心余裕の国


おはようございます。こんな天気なので、コートは防寒、中は春着という両用の構えです。

世界の峰を背負っていると、気持ちも気高くなるのでしょうか。

北海道大学観光学高等研究センター准教授:山村高淑
GNH(国民総幸福量)1976年当時21歳だった第4代ブータン国王により提唱された。
① 健全な経済成長と開発
② 環境の保全と持続可能な利用
③ 文化遺産の保護と振興
④ よき統治
自然環境や文化遺産の保全には、環境客数が地域のキャパシティを超えないようにすべきである。量よりも質を目指している。自然や文化について十分な理解と敬意を示し、かつ高い客単価で滞在する旅行者にきてもらおうというのである。
中国とインドという超大国に挟まれた小国ブータンが国際社会にアピールできるものは、軍事力でも経済力でもなく、豊かな自然とユニークな文化でしかない。
しかし観光といってもむやみやたらに世界遺産登録物件をもたないし、一つもない。世界遺産に登録する方法を考えるより、建築遺産をそのまま使い続ける手法を考えることのほうが大切なのだと。ブータンの建築遺産の特徴は寺院やチョルテン(仏塔)や民家に代表されるように、昔ながらの用途で使い続ける点にある。そんためにこそ世界遺産に登録するという考えなのだそうです。これこそがこの国の自尊心なのである。
ブータンの旅は、町や村の美しさは建築の様式美からくるというよりも、景観を作り出している生活の美しさにほかならない。寺院で無心に祈る人々をみて我々は心や精神の美しさの根底に信仰の力にあることに気づく。
もはや見る旅ではなく、感じる旅である。観光の質を上げることは、地域住民は旅行者に、旅行者は地域住民に「幸せ」を相互に与えあうことではないか。ブータンのGNHの考え自体はまだ答えのでていない社会実験であるが、この推移を見守りたい。

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