2009年11月20日金曜日
指1本の行方
おはようございます。審判は大変な仕事、相撲の場合はビデオや審判員が四方にいるので、合理的ですが、野球やサッカーなど
は人間の目のみの判断だからどうしても誤りがでる。それにしても、野球のストライクゾーンも下記のように違うのですね。そういえば
ホームベースを投げて抗議する監督がいましたね。
裏方:物言わぬ主役たち:プロ野球職人伝説:木村公一:角川書店:より
指1本の行方
一試合を無難に、滞りなく終わらせることが審判の役目である。
福井は審判になったのは、高校時代、伊万里商業で甲子園を夢みたことは叶わなかった。卒業後は長崎県の親和銀行に就職した。地元で準硬式の都市対抗で優勝できれば甲子園も夢ではないが、有志のあつまりの倶楽部チームが、優秀な企業チームに勝つことは難しかった。それでもある年に運よく九州大会で決勝戦に進んだ。1対でリードしていた最終回で1死満塁、相手チームが投手之手前にゴロを転がした。捕球した投手は一塁になげたが、打者走者の左肩に当たった。ボールは転々として、逆転負けを喫した。しかしこれは一塁線の内側を走っていたので送球妨害で本来ならアウトである。審判に抗議したが、認めてもらえなかった。
そんな折審判の一般公募に応募して、32人中2人であったが、一人増えて3人目に入って合格した。
佐賀で捕手をやっていた時には、ベースをわずかでもかすめて捕手のミットに収まった球はストライクだったので、そのように判定した。ところがプロ野球での審判講習をうけてみると、先輩審判たちは指3本、ベースの外側であってもストライクだった。のちの理解では厳然と存在するものはなかった。プロでもアマでも違った。世界野球大会でも異なり苦労していたのはそういうことだったのだ。アマでも微妙に地区によって異なるのだそうです。習慣や申し合わせで、じょじょに出来あがっていくもの、それがストライクゾーンだった。
プロの投手のコントロールとは,単にストライクを投じられる能力ではない。打者が打ち気のときは外し、そうでないときはストライクを取る。球種もストレートだけではなく、横に変化する、縦に変化する、斜めにも落ちる球をも駆使してだ。それもベースを舐めるように、ギリギリのコースをついて来る。それがプロの投手の“出し入れ”だ。そうやって投手は打者を抑えにかかり、対する打者はそんな投球を見極め,打とうかと骨身を削っている。つまり打者にとって打ちずらい球、みずらい球とは、同時に球審にも見ずらく、ジャッジも難しい球ということになる。だからこそ審判は機械のように冷静に、中立にジャッジしなければならない。
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