2009年2月26日木曜日
市場原理
おはようございます。80年に一回はこういう経済破綻を起こすサイクルがあるといわれているようですが、アメリカ流儀の市場原理は日本だけでなく、世界中を席巻しているようですね。
この国のけじめ:藤原正彦著(新田次郎と藤原てい夫妻の二男)より2006年発行
バブル崩壊以来、市場原理が恐ろしい勢いで日本を席巻している。市場原理さえ浸透すれば経済は回復するとの神話が国を覆っている。催眠にかかったごとく、規制緩和、ビッグバンなどはいうまでもなく、「官から民へ」「小さな政府」「中央から地方へ」なども中央の規制を除き、市場原理を保障するためである。
株主中心主義や株主交換による企業買収の解禁などは、会社は従業員のものではなく、市場のもの、ということである。大騒ぎとなった郵政改革などは、市場原理に参加しないものは存在を許さない、ということである。市場原理と自由競争は一体だから、その結果、我が国は激しい競争社会に突入した。勝つか負けるかは2つの内一つだから、確率は半々と錯覚しやすいが、実際はそうではない。一人の勝者に9人の敗者というのが普通である。その最先進国アメリカをみれば上位1%の人が国富の半分近くを占有する状況になっている。自由競争では勝者が10人に1人というだけではない。能力の低いもの、差別されている者、運の悪いものなどは、負けるのではなく、負け続ける。必然的に貧困層を形成することになる。ニューオリンズを襲ったハリケーンの被害者のほとんどは貧困層、大多数は黒人だったことは記憶に新しい。彼らは退去命令を知っても、乗って逃げる車もなければ、長距離バスの切符さえも買えなかった。そもそも裕福な白人はあんな低地にはすまない。乳幼児死亡率を比べれば、アメリカは貧困なキューバより高い。一般労働者の平均年収は300万円で、企業経営者はそれの431倍の13億円。1983年には42倍に過ぎなかった。OECDによると、アメリカはメキシコについで2番目に格差の大きい国となっている。ちなみに日本は一億総中流は過去のものとなり、5番目にまで上がっている。(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-07-21/2006072101_04_0.html、ともう2番目になっている)
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