2009年2月3日火曜日

民族


おはようございます。昨晩のクローズアップ現代の難病は後半しかみていませんでしたし、衛星放送も見ていないのですが、追い込まれている患者やその家族が極めて選択肢が狭まれているのに、このような問題について病院の倫理委員会や学会や医師会や国会で刑法を超えるような審議が尽くされうるのか・・・・・。生命を感じとってもいないのに、自分自身がどういう風に かんがえられるか途方にくれます。

在日であることを隠し続けるのがどうにも息苦しくなって、日本人の親友に打ち明ける。すると、親友と思っていた日本人からは、「韓国人も日本人も関係ない」
「そんなこと気にしない」といった答えが返ってくる。
「わかった。あんたが韓国人いうことは誰にも言わんからね」と言われる場合もある。
それが日本人側の「善意」から出ている言葉であることがあかるだけに、なおさら在日や帰化者の子は日本人の友人との絶望的な隔たりに孤立感を深めていく。その時の心理は「私の母が韓国人であることを話すときに、どれだけ勇気が要って、どれだけ友達の反応を気にしているか。それに対して当たり障りのない答え方をされると、「もう何を話しても、どうせわからへん」という気持ちになるんです。
そこで友達との関係を切った思い出があるんです」
この人は父が日本人で、母が韓国人のいわゆる「ダブル」(一般的にいう「ハーフ」で日本国籍を持っている。

ほとんどの韓国人や朝鮮の人の2世は、日々の生活に追われて最も経済的な負担の少ない日本の学校に入れる道を選ばざるをえず、日本政府の同化政策とも相まって、子供たちの「日本人化」に一層拍車が掛った。
子供に自分の民族性を大切にしてほしいと願う2世の親は、大別して、いわゆる「民族学校」(総連系の朝鮮学校が圧倒的に多い)、民団系(在日本大韓民国民団)の韓国学校へ通わせるか、日本の学校に通学させながら民族学級や民族クラブ(日本の学校内にあるし、生徒数が多い場合にある)の課外活動、あるいは地域や家庭での教育によって民族性をはぐくむか。(根強い就職差別や、各種学校扱いの朝鮮学校の卒業しても、一部の私立・公立大学を除いては日本の大学を受験する資格が与えられていないといった不条理な現状を変えてゆかねばならない。
いずれの親にも共通する意識は、もし何もせずに日本の学校教育に我が子を任せていたら、自分の民族性ばかりか親や祖父の民族性も否定する、つまり自分自身を否定する歪んだ人間になってしまうのではないかという危機感である。日本人からよく発せられる、在日はなぜあそこまで「民族」にこだわるのかという問いかけに、日本人である私が答えるなら、もしそうしなければこの国では人間らしく生きられないと彼らが考えているからなのある。

コリアン世界の旅:野村進:講談社より

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