2009年2月23日月曜日

仏像を彫る


おはようございます。今回の窯だしは、陶芸作業がだんだん初心を忘れたようで、一歩後退の感じです。心せねばなりません。
東京雑学大学はほとんど毎週、講師を呼んできて年間50回も、これで667回目を迎えています。

今回は仏像を彫る:小金井在住の仏像彫刻家:増田章夫氏:早稲田出身のお話です。

彫る段取り
1下図を描く
2木取り
3粗彫り
4小作(造)り=いわゆる仕上げ:師匠が最終的にやる作業ではなく、台座の蓮の花びらなどはある程度の力量になったら、仏像の何かを知るように仕向ける作業

砥ぎがうまくなると、彫りもうまくなる。砥ぎを失敗しないと上達しない。砥いで切れなくなる角度もある。砥石もつかってゆくと、粘りが出てくる。砥ぎは必要な作業(浅く・深く・鋭く・鈍くなど)に合わせて刃先を調整する。
天然の砥石は浅草の仁丹の塔があったところの砥石屋さんはいい山を持っていた。通常は4から5万円、砥石を研ぐ砥石も必要。初心者は5000円程度。砥石もピンキリで一軒の家が買える位のもある。
砥石のいい山をもっていると、裕福に暮らせる。
木取りは芯から割れやすいので芯を中心に割るようにノコをいれる。
板目を表にする場合とそうでないときがあり使い分けする。
薬師寺のものは寄せ木ではなく、1本の木で作った。
彫りの失敗はノコギリの粉を練り込んで、その部分を彫る。欠けた部分の修復も同様です。
楠は安いが、運賃がたかくつく。水分を抜くのに10年位はかかる。木がねじれる。
家具類にはつかわない。
杉は反り返る。
入魂はお坊さんがやる、修理のときは魂抜きをやり仏師に渡し、戻ってきたときは又入魂式をやる。
仏像は約束事を外さないで彫るので、工芸品の芸術家とは違う。彫ることは力仕事なのでまたがったりすることもあるので、法悦に浸るということではなく、無心になることはあるそうです。

練習に彫る木はヒメコマツがよい。お菓子の型にも利用する材木です。
木目が見えるのは硬い。表面がモヤしたような木が彫刻にはよい。檜は30cm角で200万円もする。
仏像の目をいれる・これをきるというが生命力を与えるこれは最後の作業。

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