2009年1月30日金曜日

乳母役


 
 おはようございます。昔殿様の子供・若様・お世継がうまれたら、乳母役が選ばれる。この選定にはあちこちの人を見て、家柄とか、乳母の教養の具合など諸々を考慮し、
心身共に健康で、子供アがいて、次の子供イが生まれて、母乳も富にあることが条件で選ばれる。これに召しだされることはとても名誉であることのように思われる。
 ところが残された夫は、妻が宿下がりで御盆のときとかたまに帰ってくるときに合える位で若様の生育に専念し、子育ての幼児段階が終われば、卒業ということにはならない。ずっといきっぱなしになってしまう。
残された夫も乳飲み子イはこれは大変です。自分の乳飲み子は別に母乳をもらいに走らねばならない、相思相愛の夫婦であれば、お互いによけい辛い。一生乳母役はほとんど世継の子育てのまま、子供アは丈夫に育ったが、子供イはそうはいかなかったというような場合になりがちで、健康状態や心の安定にまで影響がある。また夫も心の安定をもとめるために、いただいている報償金というのかを使ってしまう。このように家庭崩壊になりうる。それが一代だけでなく、次の世代にまで影響を及ぼすような事態もありうる。春日局が家光を育てるために、選ばれ大層その家族は恵まれたように伝えられているが、今述べた苦労もあったのではないかと想像する。このような乳母の話をある知人から耳にしました。

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