2009年1月11日日曜日

アメリカの鏡・日本③

ありあけの月をこぼるゝちどりかな  飯田 蛇笏


下記の説明は「アメリカの鏡・日本」という本の著者であるヘレン・ミアーズがアメリアの行動した道と、どうすればよかったかを述べたもので、最初は日本の言訳の論拠にするには好材料だちと思うぐらいだし、このような理想的な議論は現実的ではないと思ったがそういう軟弱なことではないと思ったし、そうすべきだったと思うが力の力学の世界がこれを許さなかったといえるようです。

国際問題は「道義的」かどうかではなく「合法」かどうかなのだ。欧米列強は韓国問題では日本を無罪とし、満洲事変は有罪とした。しかし侵略行為で有罪としたのではない。国際連盟も、アメリカも、日本が満州を侵略したことを非難はしていないのだ。日本は国際条約を破り、条約当事国の満州における権利を侵したから有罪なのだ。それだけではなく、中国も日本と並んで有罪とされた。しかも中国にいわせれば、日本と中国を非難している欧米列強も同じぐらい罪が重いのだ。国際関係も正しく議論しようと思ったら、道義と国際法はまったく関係ない事実を直視すべきだ。日本を有罪とするアメリカの世論は、満洲事変を明白な侵略行為と考えている。しかし事実はまったく違うのである。アジアからみればこれこそ日本と欧米列強が合法性を装い合う伝統的パワー・ポリティクスなのだ。

中国からみれば、欧米列強も日本も、極東の権益を守り、あるいは拡大しようという本音を覆い隠しているからのだ。

   日露戦争までは、ロシアがイギリスと並ぶ勢力だった。1904年から5年にかけて、日本はロシアと戦ってその勢力拡大を食い止めてくれた(日露戦争のとき起債に積極的に応じた英米両国にはこういう背景があった投資なのだったのでしょうか)。そして、日本は活動の場を朝鮮半島と満州に限定していたから、イギリスをはじめとする西洋列強は、中国本土でほしいままに振舞うことが出来た。しかし第一次世界大戦で力の均衡が崩れた。敗戦国ドイツがもっていた山東省を獲得しようとする日本の試みはアメリカに妨げられたが、日本は大戦を利用して、強引に中国での権益を求めていった。それ以上に極東の「安定」を揺さぶったのは、共産主義革命という形をとって再び出現したロシアである。中国に権益をもち、アジアとその周辺地域に植民地を持つ大国にとって、共産主義ロシアは帝国ロシアよりずっと危険な対抗勢力だった。帝政時代の「不平等条約」を認めず、西洋列強が特権を享受しているシステムの基盤そのものを直撃してきたのだ。加えてソ連の革命的スローガンが中国の革命的大衆に火をつけた

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