健康診断の結果を聞きにいったが。何でもないと思ってはいましたが、医院の扉を開ける前に急に心配になってきて緊張しました。
友人が健康診断が終わって3月後に具合悪く、胃がんと分かったという話を思い出したからでした。結局は何でもありませんでしたが、水はよく飲んで老廃物は流しなさいといわれました。
黒人兵テリーと眼と眼を合わせたるベトナム兵はテリーを撃たなかった。
鶴見和子:テリーはアメリカ兵で相手はベトコンです。そうして眼と眼を合わせて、ツーット行っちゃったのよ。それはわかったのよ。あ、お前さんは黒人だ、アメリカでいじめられて差別を受けている黒人だな、自分はいまアメリカと戦争している。だけどこの黒人はアメリカにいじめられている人だといって、撃たないで行っちゃったの。そこではテリ-はもう至近距離にいたから、彼が撃てば自分は殺されるところだったと。それを殺さないで行っちゃったということはどういうことかと考えて、これはもう殺し事なんかできないからといって、脱走兵として来たの。テリー本人から聞いたのよ。この話を。言葉は通じないのよ、ベトナム語なんかわからない、向こうも英語はわからなから、一言も交わさないでお互いに了解した。これはすごい感動的な話だった。目と目をみたの。
大石芳野:大岡昇平さんもそういう体験があったことを書いておられますね
鶴見 :フィリピンの。
大石 :そう。戦争という殺すか殺されるかのなかにおいてもそういうことがあって・・・。
鶴見 :其れから通常のところでは、水俣病患者の、もう亡くなったけれども川本輝夫さん、グラッシーーナローズというカナダ・インディアンの居留地に、水俣病のようなことが現われているって、行ったのよ。そうして酋長の夫人ジョゼフィンの家に行った。あの人英語喋ったわけじゃないのよ。ソレデカナダ・インディアンの酋長の夫人が日本語をしゃべるわけはないでしょう。ところが、私がその後にその酋長の夫人と英語で話をしたときに、ここにあんたが座りなさいっていうの。それでテルオはここに座って、こういう話をしたというんのだけど、それから私が水俣に行って、輝夫さんに「あなた、英語でしゃべったの?」「ううん、英語なんて」って。通訳がいた訳でもないのよ。「それなのに、あなたがこういうことを言ったって、まるですっかりあなたの言うことをが分かったみたいにジョゼフィンは言いましたよ」といったら、ポカンとしているの。手真似か何かで話したのでしょうけれどね。
目と目が合わせれば心が通いあうということは、言葉を通さないでできる。
大石 そういうことあると思います。
鶴見 ところが言葉が分かっても心が通じないことがあるの。
大石 ええ、ありますね。
鶴見 言葉が分かったからお互いに通じ合うんじゃなくて、言葉が分からなくても
目と目が合わせて通じあうことがある。それをあなたの写真は示している。あなたがレンズから自分の目で相手の目をぎゅっと見るとわかる。そういうことなんじゃない?
大石芳野・鶴見和子「魂との出会い」女流写真家と社会学者の対話:藤原書店より
鶴見さん:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%B6%B4%E8%A6%8B%E5%92%8C%E5%AD%90
大石さん:http://www.mbs.jp/portraits/portraits/2004/2004_3/y.oishi.html
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