2008年9月18日木曜日

横着農業?


庭先にソーラー電灯をつけた。600円弱位で昼には蓄電し、暗くなると自動的に灯りがともる。ほのかな灯りです。

NHKの「知るを楽しむ」という番組で副題は「人生の歩き方」となっている。第1回目を見逃していたのは大変残念だった。(3chで水曜日午後1025、再放送は翌週の朝505から)

「不耕起栽培」という仰天の農法を考え、普及を進める農業技術指導者・岩澤信夫さん。千葉の農家に生まれた岩澤信夫さんは、促成栽培技術を確立するなどして農家を成功に導いた。そんな岩澤さんがコメ栽培に目覚め、辿りついたのが昔からの米作り。それも耕さない農法「不耕起栽培」技術に出会うまでの話を紹介していた。田を耕さないことで、土が固くなり、生えた稲は野生化し、たわわに実る稲を作った。そして少しずつではあるが、この農法を取り入れる農家も増え始めた。こんな楽な方法で収穫も多いということに辿り着くまで話しでした。横着農業ともいわれたがこれは本当に何もしなくて良い稲栽培なのです。勤勉な日本の農業からすると、破天荒な農業なのです。前年の稲の切り株のあとに新たな稲を植える。それで根がしっかりつくまでは従来の方法に比べ時間がかかるが、稲は野生に変えるごとく根は3倍の大きさ、白い丈夫な根であった。しっかりした生育を示しているが、田は雑草だらけで手入れの行き届いた田からみるとミットもない。最初はそういう横着な稲のコメは実物をみてもどんなものか誠意が込められていないということで買い手もつかないということもあった。

岩澤さん達は、田んぼの異変に気が付く。現在要望されている環境問題にもピッタリ、現在これを取り入れた郡山市の中村さんは、自然農法なので、藻が生え、タニシ、蛙、メダカ、秋にはアキアカネの大群が舞うようになり、白鳥も餌があることが分かったので舞い降りているし、琵琶湖の周辺でも湖水の浄化に大変役立っている。労力が大分省けているので、旅行はいけるまでになった。

田植えの頃に困ったのは切株のところに植えるので根元をしっかり押さえないと浮いてしまうので、特別の田植え機が欲しいところだったが、農機具メーカーも省力化の方向なので売上に寄与しないという危惧を抱いていたので非協力的だったが、冷害のとき一般の田が収穫0に対し、この田は平年作を維持したことで評価されて、特別の田植え機が開発された。この稲栽培については、農業の保守性も当然あるので受け入れられるのは、田植え機が田の隅の回転しにくいところの余った1坪に試作することから始まり、各農家でも主婦や年寄りの猛反対を受けることを説得することからが大変だった。

この農法を進めていると、小さな生きものが見られるようになったので岩澤さんは「耕さない田んぼ」が時代が要求している「環境を変える」という偉大な事実に気付き「不耕起」の普及に努力している。

岩澤信夫さんの略歴:1932年、千葉県成田生まれ。農業技術指導者。
旧制成田中学(現・県立成田高校)卒業。農家の長男として家を継ぐが、家業を両親と妻に任せて果物や野菜の栽培法研究に没頭。ハウス栽培が普及していなかった60年代末~70年代初頭に、いち早くハウス栽培に近い技術を試し、スイカ、メロン、イチゴの栽培などで実績を上げる。70年代後半からコメ作りにも着目し、試行錯誤のうえ85年に「不耕起移植栽培」を提唱。各地で農家への技術指導を行うなどの実績が認められ、2008年度の吉川英治文化賞受賞。著書『不耕起でよみがえる』(創森社)がある

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