2009年5月19日火曜日

藤森流建築と自然


おはようございます。東京経済大学の特別講演の今年の第1回目でした。これは年々好評で、400席が満席になる位の盛況ぶりです。
今回はこの人は「建物探偵」としても著名で、デザインが自然との調和を目指している藤森照信東大教授のお話でした。
プロフィール:
http://tampopo-house.iis.u-tokyo.ac.jp/fujimori/f-keireki-fs.html

作品:http://tampopo-house.iis.u-tokyo.ac.jp/fujimori/f-work-fs.html
「建築と自然―藤森流建築の作り方
主張されていることは下記UHLに記されています。
http://machiecom-nt.swu.ac.jp/machiecom/koukai/080630.html

●究極の建築は木造と思ってしたが、アフリカのマリという国にある建物(世界遺産の複合物、ジェンネ)は泥で、大地と一体になっていて、構造を強くする意味で、柱を太くしているので、中の空間がかなり圧迫されている不思議な大規模な建物。世界中を見て回ると発想が自由になるそうです。
他に探してみると、ボリビア共和国のものは小規模だが個人の住宅として利用されているものが多い。
http://www.japandesign.jp/HTM/REPORT/bolivia/02/
●ノコギリは鎌倉時代までなかったので、割った板を使用していた。厚さ2cmのものを1cmまでにしていた。
●出雲のほうの古代では農耕の後がなく、イノシシの皮(するめのようだ)、鹿の脳みそ、ウサギの串刺し(それをあらわした建物名?)
●博物館を靴を脱いだものに。県庁でもびっくりし、公共の建物で前例がないという決まり文句の反対があったが、日本画家の「日本画をみるのに、土足ではいかがなものか」という口添えで実現できた。
床は汚れるので白い材質が使用できないのが、大理石ができて、絵が乱反射の光を浴びて浮かびあがって見える
●松の木は微妙に曲がっている。これの味が何ともいえない。柱も屋根を貫くようなデザイン、何事もやってみることです。
●いきな黒塀:関西では杉材の表面を焼いていた、関東では略して塗料を塗っていたが、焼き杉を復活させて使った。2cmの板材の1cmに焦げ目を作り、耐久性は湿気がある風土でも大丈夫。
●変わった前例のない建築:プロは費用見積もりができないものや、先々の補修の見込みが予想できないのは敬遠するので、自分の仲間が無料(有料だと楽しみがなくなるし、責任がでてくる)で引き受けた。(役所の了解をうるには相当苦労した)
●茅葺の屋根に、百合やタンポポを植える。昔の日本の家屋の屋根の頂(西洋の人が来日したときの写真に)はどの家にも植物があった。
●建築の冒険は施主の顔色を読みつつ、納得させつつ趣旨の実現を調整した。
●アメリカ白ありが蔓延しつつあるが・・・,白アリの北上は地球温暖化の影響であろう、その被害の甚大なるを何故報道機関が問題にしないのか。ブタ草の例でも日本中にはびこるとおもわれたが、カヤがなにかの影響で、ブタ草に負けない力をつけたように、自然の力は経過で耐久力をもつようになるので、それほど心配しなくてよいのではという助言。

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