2009年5月14日木曜日

紙は辛抱強い


今朝は涼しい朝です。高校生の服装も、半袖も、白いセーターもととりどりであるが、このような年代のおんなの子だったのですね。アンネの日記の続きですが、思いのたけ率直に書いています。それを後世の人が読むだろうとは予想だにしなかったに違いないが、凄い体験が伝わってきます。

原文のまま記載します

ゲーテの言葉に「天に届けと喜び叫ぶか、身も世もなく嘆き悲しむか」というのがありますけど、わたしは他のユダヤ人の子供に比べて、ここにいる自分だけが、どれだけ幸運かを考えるだけで、“天にも届けと叫び”たい気持ちになりますし、例えば今日のように、クレイマンさん(隠れ家は父の会社の屋根裏部屋で、その会社に勤めている人で、他に3人いて、命がけで中にいる8人の日常品の調達に励み、心労のために、胃潰瘍になって時々入院している。それでもこの隠れ家の中が、マンネリになっているため新風を吹き込む話題を提供しているので一番頼りにされている)その人のお嬢さんのヨービーのホッケークラブのこととか、カヌー旅行のこと、演劇活動のこと、お友達とのお茶の会のことなんか話してくれるのを聞くと、それこそ“身も世もない嘆き”にとらわれてしまいます。その人を妬んでいると思いませんが、一度でいいからわたしもそんな楽しい思いをしてみたいし、お腹の痛くなるほど、笑ってみたい。そう思わずにいられません。こういったことを胸の内におさめおくことが出来ないのです。ですからこの日記に書いています。それをもう一度くりかえしましょう。「紙は辛抱強い」と。

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