2007年10月3日水曜日

教育交流と衝突の和解 




教育交流と衝突の和解  南京大学総長 洪 銀興

人類の歴史とは事実上、戦争と平和の歴史であると言えます。20世紀の戦争により失われた命は、それまで行われた戦争で亡くなった命すべての合計値にも及びます。アインシュタインは「もし人類が存続を願うなら、斬新な思考が必要である。人類は根本的に他人に対する態度、と未来に対する観点を変えなければならない。武力を政治の手段とすることをやめなければならない。

東洋の伝統思想の文化には豊富な平和思想が存在しています。中国の儒教に“中庸の道”という思想があります。そして中庸をとおして“仁”と“礼”を調和統一しました。
道教の創始者である老子は軍事力は人類が守るべき“道”と“方法”に値しないと強調し、水と風の平和の形象を賞賛しています。水と風は両方とも柔軟でなめらかであるが、最後には石や鉄のような硬い物質にも勝ると考えています。これらの思想は“和而不同”に総括できるでしょう。

平和とはすべての形式の暴力の減少である。加害国は自分の犯した歴史的な過ちをみとめ、被害国は自らが負った被害の歴史に憎しみを深めるのではなく、平和を求めることが大事です。加害国が反省することが出来ず、被害国の国民に歴史的災難に合わせたことを認めずにさらにその戦犯の亡霊を参拝するとすれば、被害国の国民の民族感情を傷つけることにしか考えられないません。民族間の隔たりも深まることでしょう。ドイツのシーメンス会社の南京にあった代表のラーベさんは日本が南京を占領する前に南京難民区国際委員会長になり、世界平和を呼び掛けた。全力で中国の25万人の国民を守り、救済しました。その後ラーベ日記が日本で出版されました。南京大学にはラーベと国際難民区記念館を創立しました

1991年8月6日に交付された広島平和宣言には戦争がないことだけでなく、飢餓、暴力、人権への脅威、難民問題、地球環境汚染など平和に対する脅威をなくすことを意味し、またこうした社会環境を作ることは人々が社会で裕福な生活を意味し堂々と生きることが出来るようになることを意味しています。地球村となり人類同士の関係は密接になっています。

南京大学はジョーンズポープキンス大学と協力して、毎年50名の中国人学生と50名の外国人学生を中米両国の政治、社会、経済、法律、歴史、文化、また国際問題を研究課題とする学生を募集している。学生、教師は授業中に限らず、放課後にわたっても親密な交流をしています。

20数年来1000名を数えることになったそうです。そろそろその辺から芽がでてくるのではないでしょうか。

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