2010年2月27日土曜日

先祖の昔を買うとなると


おはようございます。めっきり春が近づいてきています。暖房も時々スイッチを切っったりしています。起床も何時もなら5時位なのに、起きたら春眠暁を覚えずでのあり様で7時を過ぎていました。


贋作は小説やノンフィクションの題材としては格好のようです。
贋作者列伝:種村弘著:
葉巻王ジョージ・ハルは7トンの石膏を使って馬鹿でかい「カーディフの巨人※1(巨人の化石)」をこしらえ、硫酸で古色をつけたうえに地下に埋めてから、それを第三者に発見させてアメリカ中にセンセーションを呼び起こした。こ
れはいくぶん古代のクビト(キューピット)像を自作して土に埋めてからまた「発掘」した、ミケランジェロの故事※2に似ている。
※1http://www.genpaku.org/skepticj/cardiff.html
※2:ミケランジェロが古代ギリシャの名称と技を競うべく、自作の古代彫刻のクビド像をローマの丘に埋め、それからこれを大々的に発掘するロレンツ・デ・メディチの手を通じてラファエル・サンソニ=リアーリオ枢機卿に贈らせた美術史上名高い事件。
彼はいかさまずくめの大コレクション「アメリカ・ミュージアム」に大々的に展示して見物料をしこたまかせいだ。そこにはほかにも、ペンキ塗りの白象だの、殺人犯のアルバート・ヒックスのデスマスクだの、猿の頭と魚から合成した
人魚だの、といったありとあらゆるガセネタやいかものが押しひしめいていた。
ハル等の場合には、無邪気なホラ吹きと大道香具師的な売り逃げの動機が背中合わせになっていて、何となく憎めない。しかし彼らのいかものが空前の大衆的人気を獲得したのは、おそらくアメリカの民衆が空白になっている彼らの過去
を買いたがっていたからだろう。成金の系図買い。フロンティアの開拓にそろそろ限界がきて、さて多少のゆとりもでてきたアメリカ人たちは、いささか眉唾臭いのも承知の上で、プレヒストリアン時代の新大陸のご先祖様を買いたがっ
たのである。ペテン師はその弱みに付け込んだ。

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