2008年2月22日金曜日

箸2本で日本を支えている。


箸:国米家己三フリージャーナリストさんは多田道太郎京大名誉教授の「身辺の日本文化」という著書を紹介していますが、それの紹介ということになります。
人間の道具というものは、すべて人間の体の延長である。手の一番素朴なものが、フォークでそれで突き刺しにする。およそ操作性のない野蛮なものです。それにくらべると、箸は二本の棒でもって其れで操作する。ある種の操作を加えないと道具として役にたたない。周知のように日本、中国、朝鮮、ベトナムとともに箸の文化圏に属します。がスプーンと箸を併用するところが多く、日本だけが箸オンリーの国。その分日本人は手先、指先の操作性がよりシャープだといえます。神の手で脳の腫瘍を開頭手術せずに、鼻孔から脳内に入れた微細なメスでかき出す。さらに高度の内視鏡開発など、ナノ・テクノロジーで他国に先行する技術者たち。みな箸だけつかう国が育てた世界的人材です。一六世紀に来日したイエズズ会の宣教師ルイス・フロイスは「日本覚書」に記しました。「われらは、すべて手で食べる。日本人は男女とも、幼児の時から二本の箸で食べる」「われらにおいては、四歳児でもまだ自分の手で食べることができない。日本の子どもは三歳で箸を使って食べる」五〇〇年前から、ちゃんと親が子供を躾けていました。しかしある統計で、正しく箸を持てる子:今は小学校低学年で10%、中学・高校で20%、いや子供だけではない、三〇歳代でやっと50%、五〇歳以上でも約65%。つまりもう親が子を躾けることができなくなっている現状がある。親の手抜き5S「叱らない。辛抱させない。仕事(家事手伝い)させない。食事のマナーを教えない。躾はなあんにもしない。」これらのことや箸の使い方があらゆる意味で生活の基本。正しい箸の使い方は頭脳の機能やモラルの問題につながっているという説もあるそうです。したがって学力の低下、少年非行の増加、社会の弛緩や荒廃などは箸の使い方の乱れに比例している可能性だってあります。
写真は中近東文化センター展示品

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