2008年2月6日水曜日

誓い


講談社メチェ:誓いの精神史:中世ヨーロッパの<ことば>と<こころ>より

婚姻式で執り行う聖職者のことばを繰り返し「誓い」のことばを唱える、それは言い間違えてはならないからである。言い間違えた瞬間にその「誓い」の効力は消えうせ、もう二度と同じ誓いを立てることはできない。「誓い」は厳密かつ、神秘的・呪術的性格を帯びた厳粛な儀礼の一要素であり、その強制力に人は抗うことはできない。そんな大事な局面に邁進しているとも知らずに「誓い」のことばを発している人がひょっとすると少なくないのではないのだろうか。
日本の場合しかし証書と証人のことばが異なる事実を示している場合、どちらが有効かとされたのだろうか。1084年の事例では文書優先、それではヨーロッパ中世はどうだったのだろう。書き記された文字自体、人間の手に届かぬ聖なる領域へ扉を開ける鍵とみなされた。ただしその内容を理解するために声を出して読み上げることが不可欠だった。これによって聖性を帯びたからである。
今でもヨーロッパの高等教育機関で「口頭試験」が極めて大きなウエイトを占める。教育はまず第一に口頭で論理的にその知識を説明できる能力の修得を意味しているからかいなかである。
写真は蒲郡市常設展示灯具展より

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