2007年11月27日火曜日

こころの距離

写真は「ゆんフリー」より

以前こんな話を読んだことを思い出しました。たしかアンデス山脈へ考古学の発掘調査に出かけた探検隊の話だそうです。
大きなキャラバンを組んで南アメリカの山岳地帯を旅していると、ある日、荷物を担いでいたシェルパの人々がストライキを起こします。どうしてもそこの場所を動こうとしないのです。困り果てた調査隊は給料を上げるから早く出発してくれと頼みました。日当を上げろという要求だと思ったのです。それでも彼らは耳を貸さず、全く動こうとしません。現地の言葉を話せる隊員が一体どうしたのかとシェルパの代表に尋ねると、彼はこう言ったというのです。“私達はここまで速く歩きすぎてしまい、心を置き去りにして来てしまった。心がこの場所に追いつくまで、私たちはここで待っているのです”
旅する木:星野道夫著:ガラパゴスより

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