2007年11月17日土曜日
環境保全に即効薬はない
写真はゆんフリー
「環境保全」というキーワードを入れて検索すると、2002年でGOOGLEで約42万が約半年後47万件のヒットになっている。情報量が多いと人々の間に環境問題が社会の中で重要なテーマであることが伝わり、社会的コンセンサスの形成につながる。この情報量の多いのはよいのですが、意外な盲点になっているのは、この情報にどう向き合うかということではないか。ドイツの情報も多いが環境保全のための仕組みも運営もドイツの風土や歴史,習慣があってこそ成り立っているからだ。
三重県の環境研修;
もう10年も前になるが、ドイツへ地域で環境保全運動を行っている10人あまりが1年間の研修に参加し、最終的には政策提言まで力をつけたことだ。一般家庭ヘのホームステイでドイツ語も英語もおぼつかない中年以上の参加者が多かった。その熱心は取り組みには頭がさがった。
そうした難しい研修結果の活用:賞賛はするが「どうせ外国でやっていること」という雰囲気になる。このドイツの例を日本で適用するには難しいと回答した人もいる。
海外研修で何が変わるか:まずは「驚き」で、自分の住んでいる世界とは異なる建物,街並、生活ぶりである。「わあすごい」という驚きが感動となり環境保全運動の大きな原動力になるが情熱の空回りもある。それから日本とドイツとの比較して自分たちの取り組みや考え方を整理することで根源的な見直しができる。なぜ驚いたかの自分達の言葉ではっきり表現する。こうすればドイツで学んだ事例を血肉とすることができる。
日本は仕組みや概念の「輸入大国」である。とにかく日本風にどんどんアレンジする。
下手をすると勘違いしたまま、器用に適用する。日本の介護保険はドイツを見本にしているが、年齢や性別にかかわらず介護が必要なすべての人に適用される。ところが日本では介護保険は高齢者介護になってしまう。(これは急激な高齢化を迎え、老人介護をどうするかに関心が集中している面もあるし、財源を若い世代に押し付ける可能性大ということもあるようにおもいます)
環境保全には即効の処方箋はないことを肝に銘じることが必要だそうです。
エコライフ(ドイツと日本はどう違う:高松平蔵:化学同人発行;2003年6月10日発行)より
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