2007年11月23日金曜日

崇高な顔のインディアン

写真はゆんフリー


おおはようございます。昨晩は相当の寒さで、田舎の山形では雪の天気予報までていました。今日はアメリカのインディアンのお話です。
ユングという臨床心理学の学者がいましたが、彼が訪ねたネイデイティブアメリカンはプエブロ族。1920年代だったから誰にも注目されませんでしたが、プエブロの長老のような崇高な顔をした人はヨーロッパにはどこにもいない、ヨーロッパの老人たちはみな貪欲な顔をしている、言っているんです。たましいのことを忘れて物質文明ばかり追求している点で、これでは絶対にだめだになるということをその時いっています。そのアメリカも最近になってやっとそのことに気づくようになって、急にネイティブアメリカンから話を聞き出したりするようになったわけですが、ユングはもう80年前にそういうことを指摘していたんですね。
2001年6月第1回日本統合医療学会で伝統療法と西洋近代医学の統合を目指すシンポジュウムを行ったとき、議長役の東大名誉教授の渥美和彦教授はもとは人工心臓の研究者ですが、ヤギに人工心臓をつけてなが生きの世界記録を作った人ですが、ある日突然「先端医学は人を救わない」と言い出した。ほんとうに人間を救うとなったら、どうしても心の問題に到達するということです。
悪いものを摘出して医学的になおっても、自分の心のなかのもやもやしたものがあると、ついつい家族にあたったりする。家族も「医者に聞いたら、治ったと言っているぞ、健康なくせになにぼやぼやしているんだ」と怒る。そこさえほんとうに解決したら普通に生きている筈の人たちが、そういうことでとても不幸な人生を生きておられる、それがすごく多いと思います。(これは臨床心理士が徹底的に聴いてくれるそうです。)



心の深みへ河合隼雄と柳田邦男の対談の第7話より、
(下記の祈りはまた別です。どういう顔だったかに関心がありますが見つかりません。これらの祈りをしていた人の顔がそうではなかったかと想像します。)イエローポスト


おお父よ、わたしはあなたの声を風のなかに聞き、
あなたの息はこの世界中のすべてのものに生命を与えています。
お聞きください。
 わたしはあなたの前に、あなたのたくさんいる子供たちのひとりとして、 
今、立っています。
わたしは小さくて弱く、
あなたの力と智恵とを必要としています。


どうかわたしを、美のなかに歩ませ、
なにとぞこの眼に、赤と紫の夕陽をお見せください。
この両手が、
あなたの創られたものを、尊敬させるようにしてください。
この耳を、
あなたの声が聞こえるように、鋭くしてください。
そうすればきっと、あなたがわたしの一族に与えられた教えを、
一枚一枚の木の葉や、
ひとつひとつの岩のなかにあなたが隠された教訓を、
このわたしも、理解するかもしれません。


父よ、わたしは力を求めています。
偉大なる敵と戦うことができるようになるための力ではなく、
その力で、汚れのない手と、濁りのない眼をもって、
わたし自身があなたのもとを訪れる準備をさせてください。
もしそれがかなうのなら、
日没の太陽が姿を消すように、わたしの生命が終わりを迎えたとき、
いささかも恥いることなく、
わたしのスピリットはあなたのもとを訪れることができることでしょう。

アクエサスネ・モホーク・ネーションのセント・レジス・リザベーションの
なかに立つ「トム・ホワイトクラウド」という名前のひとりのネイティブの
墓に刻まれている祈りの言葉・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「虹の戦士」  北山耕平 翻案 太田書店 より

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