2008年1月28日月曜日

血と油その1


石油はアメリカを強くしたが、石油を追い求めるあまり、アメリカは独断と専横の道へ進むことになった。「血と油」アメリカの石油獲得戦争マイケル・T・クレア(米国屈指の紛争アナリスト)より

第二次世界大戦の連合国側がつかった石油の7分の6をアメリカの油田が供給した。(しかし外国の石油を調達することが初めて国家安全保障上の問題となったのは、ローズベルト政権のもとだった。サウジアラビアをアメリカの保護下に置き、ペルシャ湾に恒久的に軍隊を配備することで、将来における自国のエネルギー輸入を守ろうと企てた。これによって際限なくこの湾に軍事的関与を深めていく過程をローズベルト大統領が開始したのだ。)戦後アメリカは石油を増産することによって、自国に大きな繁栄をもたらし、ヨーロッパと日本の経済復興を開始させた。しかし決定的な問題が秘められている。40年代末アメリカは増加するエネルギー需要を満たすために、外国の石油に頼るようになった。その後輸入石油の占める割合はほぼ一本調子で増加している。50年代には外国産石油は米国消費量の10%、60年代にはそれが18%、70年代にはその2倍になった。しかし72年から国内の生産量が減少の一途をたどり、ますます輸入に依存せざるを得なくなっている。自国の経済の活力を維持するため、徐々にではあるが、確実に外国の石油に依存度をたかめていった。米国は豊富な石油を安全保障と力の源泉とする国から依存する国へ変貌した。

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