2008年3月20日木曜日

面白い都市空間③

<面白い都市空間の発見③>

H:近代に鉄道ができたとき、駅の場所は街のはずれに追いやられたけど、追いやられたはずの駅周辺が賑わって、そこが中心地となって行きました。ところが、都心を迂回する道路ができ、バイパスに商業地が張り付くと、駅前のポテンシャルが下がって、中心市街地は空洞化していきました。あるエリアが繁栄したとしても、次の時代には違う場所が輝く、そして、かつて賑やかだったところが、何年か後に手を入れることで、新たな意味が付加されて、また活気を取り戻す。それが都市の新陳代謝であり、都市のダイナニズムだと私は思います。
駅は人が移動する場所ではなく、滞留する場所に変わったのが上野駅であり、東京都だと思います。(新幹線でそうではなくなっていますが、それ以前の話のようです)
大阪は民鉄が早くから複合化を試みていますが、上野駅見たいな画期的デドラスティックなものはありませんね。
S:京都駅はすごいですね。
H:名古屋や札幌では駅の付属物として商業施設やホテルが併設されていますが、京都駅は改札口がホテルのロビー風だったりして、どこまでが駅か定かではない。ホテル、デパート、レストラン、劇場などの空間が融合している。京都駅ほど奇妙駅はありません。「駅」を超えた新しいビルディングタイプでしょう。
FOREという雑誌で、大手不動産会社が作っている協会の季刊誌のNO32:集客とにぎわいの対談から
S:鈴木伸子:「東京人」副編集長

H:橋爪紳也橋爪 紳也(はしづめ しんや、1960年12月6日-)は、日本の建築史家。元大阪市立大学教授。建築史・都市文化論専攻。工学博士大阪大学、1990年)。大阪市中央区島之内生まれ。兄は美術史家の橋爪節也。社団法人現代風俗研究会会員。イベント学会副会長。

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