2008年1月16日水曜日

国への信頼感


東京から3年ぶりにロンドンに戻ったイギリス人デザイナーはスパゲッティ一皿2000円 、地下鉄も初乗り運賃が約600円と格段に高くて東京の生活実感の1.5倍だ。世界の資産家が集まるほどの弾力的な税制と入管制度が引きつけている。トップに名を連なるのはイギリス人ではなく、ロシア人、アラブの実業家といった外国人だ。一位のロシア人実業家は、アブラモビッチ氏の総資産は約1兆1800億円だそうです。
家をローンで購入する多くのイギリス人は、その返済を定年間際で終了できるように組む。
そしてローンが終わる定年後は家を売却し、ダウンサイジングして小さな家に住み替え、余剰金を老人ホーム入居費用などの生活費にあてる。
私たちが銀行に預金するお金をイギリス人は家につぎ込み、リフォームや庭つくりなどに精をだし、魅力的な住まいを維持することで、自分の資産を膨らませていくのだ。
又弱者をまもってくれるという国への信頼感がある。
イギリスでは高齢化社会に向けて、移民政策を緩和し、特殊技能者、技術者を中心に外国人を受け入れている。自国で減少する労働力を確保し、外国人に税金を納めてもらうことで高齢化・少子化のダメージを食い止めている。

又個人主義のイギリスでは親が恋愛に干渉しない。そのためティーンエイジャーのシングルマザーがEU諸国で最も多いといわれている。イギリスでは若い母親が生きていけるように育児設備を整え、非嫡出子を社会的に認知して児童扶養手当を完備して優先的に公的住宅に住まわせることに力をいれている。こんな実績から移民を含めたイギリス国民は、最終的には国を強く信頼している、どんな局面でもマイナスからプラスのひねり出すイギリスの決断力と行動力を見てきたからだ。彼らが不安にかられ貯蓄に励んだり、生活ストレスからやけっぱちになって大量にモノを買わないのは、こんな国への信頼がベースにあることは否めない。
イギリス人の格 井形慶子著より
この井形さんのHP:http://mrpartner.co.jp/

0 件のコメント: