2008年1月8日火曜日

バリアフリーの科学


バリアフリー科学の夢:
福祉工学という分野があるそうですが、弱ったり失ったりした聴覚、視覚、手足などを技術で助けるための研究をしているそうです。実用されている例は
発声障害者のための「人工喉頭(製品名:ユアトーン)・㈱電制との共同研究、聴覚障害者のために声を字幕にする「音声字幕システム」・㈱ビュー・ユー・ジーとの共同開発や触覚に伝える「タクタルエイド」・㈱ティジーとの共同開発、視覚障害者のために伝える「音響バーチャルリアリティ」さらに弱った手足のリハビリテーションのためにいかす「MH(水素吸蔵合金)アクチュエータ」などがありそうです。福祉工学は体の一部が低下したり失われたりしても快適な生活が送れるようにするのが目的で、医療の目的と変わらない。ただし福祉工学は障害を直すのではなく、技術によって生活の場や体の機能を補完するという立場をとります。
人間の脳には、環境の変化や機能の低下・欠損によって、今まで使われていなかった脳のある部分が働きだし、新たな能力が生みだされる面があります。手を失った人が足で自在に文字を書くようになり、視覚を失った人が音だけで部屋の大きさや、目の前の障害物の存在を感知するようになるといった例が挙げられるそうです。これを脳の可塑性とよんでいて、それによって代償機能が生まれますので、これを壊さないように補完することが大事だそうです。その一方で難聴になると、単に聴力が落ちるだけでなく、言語の処理能力が変わったり遅くなったりする脳の変化もでるこがあります。声を大きくして耳から脳に送るだけでは高齢で難聴を人たちの約半分が役にたたないといいます。脳内の言語処理の状態を検査し、その結果に合わせて補聴器を設計する必要があるそうです。バリアフリー社会は工学的な技術開発だけでは実現しない。ものを知覚する脳の働きやそれに伴う人間行動の研究、バリアフリー製品が普及したときの経済効果の調査、ユーザーによる評価が必要になります。
伊福部達先端科学技術研究センター教授http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/
より

0 件のコメント: