2008年1月7日月曜日

所得格差を高齢者の増加と言い訳した理由


所得格差を高齢者の増加と言い訳した理由:
団塊の世代と人口減少:日本の団塊世代に相当するのは、日本の場合は1947年から1949年の3年間でこの年代は700万人弱と突出している。
団塊世代の人たちは、チャレンジ精神を失っていないので、社会を変えることができると思います。2005年の国勢調査によれば、65歳以上(高齢者というが、75歳以上は後期高齢者という)は人口の20%を超えていますが、15歳以下の子供は14%弱しかいません。実は団塊世代と人口減少は密接な関係をもっています。米国のベビーブーマーです。これは1946年から1964年の19年間です。松谷昭彦著『「人口減少経済」の新しい公式』によれば、当時の厚生省(現在の厚生労働省)が人口を調節したからです。1941年、政府は強い国を作るために「産めよ増やせよ」の人口政策を掲げました。その後、日本は第二次世界大戦に突入しました。終戦直後、平和な時代がおとづれたことから、出生数が増加しました。さらに,旧植民地からの引き揚げや復員兵の帰国により、国内の人口が急増しました。(この時期に国の政策に単純に呼応したのかという疑問はのこりますが)人口の急増と終戦直後の不況により食糧の需給バランスが崩れ、食糧不足が深刻化しました。ここまでは、多くの人たちが餓死すると考えた厚生省の役人は、人口増加策から人口抑制へ、180度方針を転換したのです。1984年に優生保護法が施行されました。人工妊娠中絶を合法化することによって、産児制限をしました。その結果1950年以降出生数は激減しました。ちなみに、このような大胆な産児制限をしたのは、世界中で日本だけです。その副産物として人口構成がいびつになりました。団塊の世代の高い山の後、出生数の急減による深い谷が形成された結果、2005年から日本は人口減少に転じたのです。一度始まった人口減少は、最低100年は続くそうです。人口の山と谷があまりにも大きいので、積極的な移民政策をとっても、人口減少を食い止めることは不可能です。このように人口が減少し、社会に活力が失われつつあるので定年退職を迎える団塊世代に注目が集まっています。
OECDは2006年、2000年に相対的貧困率がOECD加盟国のなかで米国の13.7%に次ぐ世界第2位の13.5%になったことを公表した。相対的貧困率とは生産年齢人口(15歳から64歳までの)可処分所得(税金や社会保障などを引いた手取り収入)が中央値の半分以下ない人の割合を示す。政府は、格差社会の原因は高齢者の増加だと言い訳をしました。
このOECDの報告書は正規雇用者と非正規雇用者の所得格差の拡大が原因と指摘しています。

2005年の賃金構造基本統計調査によれば、正規雇用者の賃金水準を100とすると、非正規雇用者は男性64、女性70となっています。非正規雇用者の問題を放置すれば、米国と同様に、中流家庭が激減して、少数の上流家庭と多数の下流家庭に2極化する流れを避けることができません。
最高税率は法人税は1988年に42%→1999年に30%に、一方所得税は1983年75%→1999年37%と半減した。米国は1%の人口が40%の富を持つという貧富の差が激しい社会です。米国は世界一豊かなイメージがあるが、それはほんの一部でしかありません。

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