2010年6月7日月曜日

「伝の心」(でんのしん)


おはようございます。いろいろな福祉補助具は、開発者のいろんないろんな思いもあって出来ていることが分かりました。

内藤正美(現代教養学部 教授)
経歴:東工大→日立製作所→鹿児島大(難病関連の教授)→2004年東京女子大教授

2010.6.5東京女子大
武蔵野地域5大学共同教養講座「脳活動計測による障害者支援」の講義から

日立製作所の小澤邦昭さんは43歳のときに上長から福祉機器にかんする推進室の勤務を勧められた。それまでは全く福祉の「福」もしらなかっらたし、研究の方向性は暗中模索であった。
そうしているとき、研究関連の仕事で大変お世話になった永野先輩が難病ALSだとの知らせを受けて病院に見舞いにいった。
声を掛けても声の返事もなく、かすかに手が動かしただけが挨拶だった。
この見舞いを契機に、眠っていた研究の指針ができ邁進した。しかし1993年に永野先輩は永眠された。パソコンで障害者が文章を書くことを開発し、試作機ができたので、実際に試してもらったが、障害者の希望は何も聞いていなかったので、使い物にならなかった。それは当然にパソコンに向かって文章を書く作家ではなかったから。それで全国のALS患者の状況を調べあるいた。

そうしてできた「伝の心」(でんのしん):製品情報:http://www.hke.jp/products/dennosin/denindex.htm
http://www.film.hitachi.jp/movie/movie753.html

自分の気持ちを周囲に伝えたい、周りの景色を眺めたい、本やテレビを自由に楽しみたい。
それは身体の自由が奪われ、話すことさえ困難になっていく、さまざまな難病と闘う患者さんの切実な願いです。
日立にはかつて難病と闘った社員がいました。その経験を少しでも役立てようと生まれたのが意思伝達装置「伝の心(でんのしん)」です。

センサーを使用し、身体の一部をわずかに動かすだけで、文字をパソコンに入力して自分の気持ちを言葉にできるのが「伝の心」。また文章を作るだけでなく、 DVDやテレビなど機器の操作といった機能を搭載し、患者さんの生活の質の向上を支援します。さらにインターネットや電子メールを利用して、これまでの仕 事を継続する、新しい活動をはじめる、というようにさまざまな可能性をひろげることもできます。「伝の心」は患者の意思を解き放つ翼になります。
これは瞼や唇や動くところをパソコンの入力源にできた。
ところがこのALS患者の方々で、何もどこも動かせない人(完全閉じ込め症候群)がいて、介護している人も、本人も全く意思疎通ができないが、語りかけてくるものは感じるものの、何年もどう思っているのか、せめても「いいのか、わるいのか」意思表示を知りるための機器の開発の要望がよせられ、この介護をみれば何とかしてあげたいと思った。

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